素敵な誕生日の過ごし方

                                   




大輪の薔薇の花束を抱えて帰って来てくれた一昨年の君。

キャンドルを買いに遠くまで足を伸ばしてくれた去年の君。

豪華な手料理に挑戦してくれた今年の君。


そして、「美味しい?」と、心配そうに首を傾げて僕を見つめている目の前の君。

君が用意してくれるプレゼントは本当に嬉しいけど、その気持ちとこの笑顔が1番嬉しいよ。

僕の言葉に君は口を尖らせて、せっかく準備したんだから、もっと喜んで、と拗ねて見せる。


「美味しい」と言われるかどうか不安と期待を滲ませるその瞳に見覚えがあった。

毎週見る三対の瞳と、最近見れなくなった一対の大きな瞳。

その大きな瞳に対してしていたように、少し焦らしてから言う。


「美味しい」


君には特別に優しい微笑みつきで。


君に満面の笑みが広がる。

そんな健気な可愛い君。さて、健気じゃないけど可愛い彼には、今年は何を貰おうか。

手料理もいいけど、抱え切れない程の薔薇に埋もれる彼も見てみたい。

そんな事を考えていたら、目の前の君に怒られてしまった。


「でも、今日はお誕生日だから特別ね。」


可愛い君と幸せな時間を過ごし、余韻を引きずったまま彼らに会う。


「顔がにやけてるぞ!」


そんな憎まれ口を叩きながらも、素敵なプレゼントを渡してくれた。

テレビでは見れないとっておきの笑顔と共に。




幸せな誕生日。

素敵な贈り物と素敵な笑顔。可愛い君とそして、大切な彼ら。