「誕生日おめでとう」

そう言われたのとギュット抱きしめられたのが同時だった。
苦しくて、でも嬉しくて、動くと腕が解かれてしまいそうで息も出来なかった。
優しく触れられた唇から全てを奪われそうだった。
ずっと求めて来た状況に夢ならば、この感触を忘れないでおこうと思った。
キスは長くて息が苦しくなった。
「もう無理!」と思ったら夢が覚めた。
なんだ夢だったのかと残念に思いつつ、そんな夢を見た自分に顔が赤くなった。

火照る顔が治まらないうちにドアがノックされた。
ドアが開くとそんな夢を見させた張本人が来て、一直線に向かってきた。

「誕生日おめでとう」

同じ状況に慌てるのを気にもせず、そっと口づけるとそのまま抱きかかえられた。

同じ夢なら二度も見たくない。
閉じていた瞳を空けると、
「何、目開けてるんだよ」とその唇でそっと閉じられた。
覚めることのない夢と消えることのない人に身を預け、心も預けた。


甘いものは好きじゃないけど、こんな甘さならいいかもしれない。
思わずにこっと微笑んで首に手を回した。

大きなケーキも、1年に1度ならいいかもしれない。
生クリームたっぷりのケーキも食べさせてもらうなら、いいかもしれない。

だから、来年の誕生日、同じように聞かれたら、甘い答えを返そう。

「ご注文は?」
「生クリームいっぱいのデコレーションケーキ!」



2005.8.18UP
HAPPY BIRTHDAY TO MASAHIRO
年々可愛らしくなっていくわれらがリーダーに
ちょっと可愛すぎるこんなお話をささげます。
貴方の可愛らしさ、かっこよさ、少年っぽさ、そして大人っぽさが
存分に発揮できる一年になりますように。
そして、貴方がいつでも幸せだと思っていられる年になりますように。