―声が聞きたいなんて思った事もなかった―


中居くん
中居さん
中居さん

指示をする人、求める人。
挨拶する人、される人。
笑わせてくれる人、笑わせなきゃいけない人。
笑顔にしてくれる人、笑顔を見せなきゃいけない人。

入れ替わり立ち代り目の前にいる人が変わっていく。
それをさっきからじっと見てるのは慎吾。

ずっと見守っててくれなくても、僕は大丈夫だよ。

中居くん
中居さん
中居さん

パッと顔を帰るのは得意。作り笑顔もばれたりしない。
そうする必要が無いのはやっぱり楽だけど、いい仕事をするにはお互いが気を使うことが必要。
そのことにもだいぶ前に気付いてる。

後ろで心配そうにしてるのは剛。
気分転換にメシの話?そんなに気を遣ってくれなくても僕は大丈夫だよ。

中居くん
中居さん
中居さん

いい仕事をするにはコミュニケーションが大事で、挨拶はその第一歩。
気持ちよく付き合いたければ、いちいち立つのも基本。
それを苦にする気持ちはとっくになくなってる。痛がる体を騙すのにも、もう慣れた。

そんな僕に呆れてため息をついたのは吾郎。
肌にいいクリーム?そこまで心配してくれなくても僕は大丈夫だよ。

中居くん
中居さん
中居さん

食べ切れないほどの差し入れ。
身に余る賛辞。
それでも、身も心も満たされない事がある。
そんなことにも気付いてしまった。
自分を呼ぶ声が嬉しかったのは、呼び方を変える人、態度を変える人に出会う前までの話。
いつも変わらない声のありがたさを知ったのもその時。
その4つの声をいつも弾ませていたい。自分の声もその中にありたい。僕はそう思った。

そのための無理なら構わない。
でも、同じ目的のためにも違う手段を選ぶ奴はいる。
部屋に入ってきた怒ったような、でも優しいオーラは木村。
「休憩中」のコーヒー?いつも支えてくれてなくても僕は大丈夫だよ。

でも、本当はどこかで待っていたのかもしれない。
押し込めていた疲れがあふれ出してきた。
しばらく木村のオーラに身をゆだねてもいいかな。
疲れが取れるまで支えてもらってもいいのかな。
見守っててもらっても、気を遣ってもらっても、心配してもらってもいいのかな。
しばらく5人でいてもいいのかな。
まだ周りに人はいっぱいいるけど、忘れさせてもらってもいいかな。

中居くん
中居くん
中居くん
中居

僕はこの声を待っていたのかもしれない。





2004.7.21 UP
最初の一文が頭に浮かんで書いた文章です。
なので、中居サイドもないと・・・と思って書いたのですが
つけない方が良かったかな、とか思いつつ。