「ひーろーちゃん。」
「なーにー。」
「あーん。」
「甘い物ならいらない。」

食べさせようとする木村自身は否定せずに、それでもきっぱりとはねつけて、
中居は再び目と神経を資料へと向けた。

「疲れてる時には甘い物がいいんだぞ。」
「俺が好きじゃないの知ってるだろ?」
「そりゃそうだけど。」

「知っている」事を肯定されて、少し木村の声色が変わった。

「集中力が増すんだよ。」 その言葉に中居の視線が再び木村へと向いた。
「マジだって!テレビで言ってたんだから。」

必死の説得に中居の目は今度は木村の指先を捕らえた。

「甘くない?」 上目使いに尋ねる。
「甘すぎはしない。」
「じゃあ。」 そう言うと、中居はパクッと口を開けた。

何故か目を閉じてねだるその仕種に、木村は腕を震わせながらそっとケーキのかけらを口の中に落とした。
「ニコッ 」
おいしそうに微笑むと「もう一口」と、やっぱり目は閉じて、口を開けた。
結局、五回繰り返され、中居は差し入れを完食した。

「おいしかった。」
満足そうな声を出すと、再び視線を落とすかと思った中居は、「う〜ん」と伸びをしながら立ち上がり、
木村の肩を抱きながら廊下へと向かう。
「中居?」
どこ行くんだよ?と不思議に思う木村をよそに、
「SMAP全員集合!!キャッチボールやるぞ〜!!」 掛け声響いた。
「中居?」
「なんか元気出てきた。各自、ボールとグローブ持って集合!」
「マジで?」
「遅い奴は罰ゲームだかんな」
「ちょっと待ってよ」
ブーイングをものともせずに、野球少年は高らかに再度宣言した。

「SMAP全員集合!!」












「ちょっと木村君、何してくれたのさ。」
「僕、読書中だったんだけど。」
「せっかくうとうとしてたのに。」

      









2005.8.9 UP
聖奈初の連続UPです。
冒頭の二人の会話が書きたくて・・・(笑)

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SMAPファンに55のお題
thanks to「Wish Garden」植木屋様
http://www.geocities.jp/wish_garden_new/odai/00.htm
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