第4部 基本ソフトウェア


平成7春 2K 問31

ロードモジュールを、同時に実行されることのない複数個の部分(セグメント)に分割し、実行時にセグメントを交互にローディングする方式はどれか。

 オーバーレイ
 スワッピング
 ダイナミックリンク
 動的再配置
 ロールインロールアウト

解答 ア

オーバーレイ
仮想記憶のなかった時代によく使用されていた方式。一つのプログラムの大きさより使用可能な主記憶の容量が小さいとき、プログラムの使用頻度の高い部分(セクション)をまず主記憶上に常駐させておいて、使用頻度が低く、関連のないセクションは補助記憶装置から使用の都度呼び出して実行させる。

1999/08/22


平成9秋 AN 問10

オペレーティングシステムに関する記述のうち、適切なものはどれか。

 MVSでは、多重仮想記憶による多重プログラミングを実現しているが、多重タスキングの機能は擬似タスク方式で提供している。
 UNIXでは、複数のプロセスを時分割などを用いてプリエンプティブなマルチタスク方式でプログラムを実行している。
 Windows3.1は、擬似マルチタスク方式で複数のアプリケーションを実行しているので、タスク切替が自動化されている。
 Windows95、WindowsNT、及び大多数のUNIXでは、32ビットフラットメモリ空間をアプリケーションプログラムごとに複数提供している。

解答 イ

MVS(Multiple Virtual Strage system)
IBM社の汎用コンピュータ用OS。MVSの名前は多重記憶方式からきている。MVSの多重タスキングの機能はマルチタスク方式で行っており、擬似タスク方式ではない。
プリエンプション方式
優先順位を決めることで、他の処理が途中でも、優先順位が高いタスクの処理を行えるようにしたもの。

Windows3.1のタスクの切替は、自動化されているのではなく、ウィンドウ操作によってアクティブになったアプリケーションのタスクが実行される。

Windows95、WindowsNTでアプリケーションプログラムごとに提供されるのは32ビットメモリ空間(4Gバイト)のうち、下位の2Gバイトである。

1999/08/03


平成9秋 AN 問12

各タスクを、待ち行列の順に一定時間(これをタイムクォンタムと呼ぶ)ずつ処理し、タイムクォンタム終了ごとに待ち行列の最後尾につなぐ方式の多重プログラミングシステムがある。タイムクォンタムの設定値を変化させたときのシステムの振舞い(タスクの処理終了時間)について、適切な記述はどれか。

 設定値を減少させると、I/Oバウンドのタスクの処理終了時間は、CPUバウンドの処理終了時間よりも相対的に長くなる。
 設定値を減少させると、I/Oバウンドのタスクの処理終了時間は、CPUバウンドの処理終了時間よりも相対的に短くなる。
 設定値を減少させると、オーバーヘッドが増加するので、すべてのタスクの処理終了時間が同じように長くなる。
 設定値を増加させると、オーバーヘッドが増加するので、すべてのタスクの処理終了時間が同じように長くなる。

解答 イ

I/Oバウンドのタスク
入出力にかかわる時間が多く、CPU処理時間が少ない。
CPUバウンドのタスク
入出力にかかわる時間が少なく、CPU処理時間が多い。

タイムクォンタムを減少
I/Oバウンドのタスク:CPU処理が少ない→待ち時間が減少→CPU処理が早く終わる(可能性がある)
CPUバウンドのタスク:1回の割り当て時間が短くなる→待ち状態となるこのとが増える→終了処理時間が長くなる(可能性がある)

1999/07/26


平成10秋 AE 問10

図はOSによって制御されているタスクの状態遷移を表す。a、b、cの各状態に当てはまる組み合わせとして、適切なものはどれか。

問題の図

a b c
実行可能状態 実行状態 待ち状態
実行可能状態 待ち状態 実行状態
実行状態 実行可能状態 待ち状態
実行状態 待ち状態 実行可能状態

解答 イ

タスク生成後は実行可能状態(a)になる。
実行状態(c)からタスク終了となる。

タスクの状態遷移の主な要因
実行可能状態→実行状態 ディスパッチング
実行状態→実行可能状態 CPU時間を使い切る
優先順位の高いタスクが実行可能状態となる
実行状態→待ち状態 入出力システムコールの実行
waitシステムコールの実行
待ち状態→実行可能状態 入出力割込みなど

1999/07/19


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