第8部 システム構成技術


平成8春 1K 問76

情報処理システムの基本的な構成を図のように分類したとき、分散処理システムに関する記述として、適切なものはどれか。

情報処理システム                   集中処理システム
 
分散処理システム                   水平機能分散システム
 
    水平負荷分散システム
 
    垂直機能分散システム
 
    垂直負荷分散システム

 垂直負荷分散システムの代表例として、クライアントサーバシステムが挙げられる。
 水平負荷分散システムを用いると、システム全体のアベイラビリティ向上が期待できる。
 例えば金融システムにおいて、情報系用コンピュータと勘定系用コンピュータのようにコンピュータごとに機能を分けた場合、それは垂直機能分散システムと見なせる。
 分散処理システムは、システムの規模や能力を大きくすることによる運用・保守費用の増加を、集中処理システムより抑えることができる。
 分散処理システムは、集中処理システムに比べてデータ処理プログラムの追加、変更が容易である。

解答 イ

ア クラサバは垂直機能分散
ウ 水平機能分散

2000/06/19


平成9春 DB 問59

2台のコンピュータを通信回線で接続し、一方向にデータを伝送するシステムがある。平均回線利用率を0.4と0.5の間にするには、通信速度を何ビット/秒にすべきか。

[条件] 
  ・電文の送信回数は、1時間当たり平均6,000回である。
  ・電文長は、平均450バイトである。

9.6k
14.4k
28.8k
64k

解答 イ

回線利用率を1にするためには、
  450byte * 8bit * 6000 / 3600s = 6kbps
必要。
回線利用率を0.4〜0.5の間にするためにはこれより速くしないといけない

6kbps / 0.5 = 12kbps
6kbps / 0.4 = 15kbps

よってイの14.4k

2000/05/15


平成6秋 AE 問25

計算機システムの稼動状況に関する次の指標のうち、その測定のためにソフトウェアモニタが必要となるものはどれか。

 主記憶のアドレスごとのアクセス頻度
 タスク(プロセス)ごとのCPU使用時間
 バッファ記憶のヒット率
 分岐命令の使用頻度
 命令実行回数

解答 イ

ソフトウェアモニタはOSの一部に組み込まれることが多い。イ以外は一般にハードウェアモニタによって測定する。

1999/07/31


平成8春 1K 問79

オンラインシステムの信頼性を向上させるためのシステム構成a〜cと、それぞれの呼び名について、正しい組み合わせはどれか。

a 2台の処理装置で同時に処理を行い、それぞれの処理装置の処理結果を比較して故障を検出できるようにした構成
b システムの構成要素に冗長性を導入し、構成要素の故障があってもシステム全体としては正しく動作する状態を保つ構成。
c 予備系のシステムがオンライン処理のプログラムをロードした状態で待機しており、本番系が故障したときに速やかに切り替えて処理を実行する構成。

a b c
デュアルシステム クライアントサーバ マルチプロセッサ
デュアルシステム フォールトトレラント ホットスタンバイ
デュプレックスシステム クライアントサーバ ホットスタンバイ
デュプレックスシステム フォールトトレラント ホットスタンバイ
デュプレックスシステム フォールトトレラント マルチプロセッサ

解答 イ

シンプレックスシステム
最も単純な構成のシステム。ある装置の故障がシステム全体のダウンにつながる。
デュプレックスシステム
CCU(通信制御装置)、CPU(中央処理装置)、主記憶装置からなるシステムを2系統もつ。一方の系列(動作系)が故障しても、他方(待機系)に切り替えることにより、オンラインシステムとしての機能を維持できる。なお、通常、待機系はバッチ処理(中断しても再処理が可能な業務)に用いられている。また、ファイルなどが記憶されている補助記憶装置は常時並列に動作していることが多い。

デュプレックスシステムの説明図

デュアルシステム
全装置を二重化(2系列化)し、各系列が同じ処理を行う。各系列では、一定時間ごとに処理結果を照合(クロスチェック)する。処理結果が不一致の場合には、診断用のソフトウェアが働き、障害が発生した処理系を切り離すなどの処理を行う。このシステム構成には、初期コストおよび運用コストがシンプレックスの2倍以上かかるため、きわめて高い信頼性が求められるオンラインシステムでのみ用いられる。

デュアルシステムの説明図

1999/07/19
デュアルとデュプレックス、どっちがどっちかいつも迷う…


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