蘭寿とむ お茶会
マラケシュ・紅の墓標
エンター・ザ・レビュー

2005年6月19日
於・東京会館

 後ろの方の席ではあったのですが、ちょうど真ん中だったので、障害物もなく真正面にとむ君を眺められる位置。お土産はTRのイニシャル入りのキーホルダーだったので、早速つけかえながら登場を待ちました。

 白いスーツ、黒に白い柄のシャツを着たらんとむくんが、ドアから登場。あいかわらず颯爽としてて、格好いい。テーブルの間をぬいながら歩いていたのですが、目が、目が合った〜!玉砕。
 エンター・ザ・レビューを歌いながら、手拍子に導かれてメインテーブルへ。
司会(以下S) とむさん、本日も2回公演お疲れ様でした。
らんとむ(以下T) お疲れ様でした。
S それでは大変皆さまお待ちかねでしたので、早速乾杯のご発声をお願いいたします。
T はい。皆さま、本日はお忙しい中こんなに沢山お集まりいただきまして、ありがとうございます。えー、最初のテンションで盛り上がって行きたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、乾杯!(乾杯&拍手)
S はい、それでは早速お話PART1ということで、公演のお話からお伺いしていきたいと思います。
T はい。
S 今回はちょっと異色な役柄で、黒づくめのドイツ人、ギュンターという役についてなんですけれども、まず台本を最初に読まれたとき、どんな印象を受けられましたか?
T ん〜嫌な奴。(笑)
何だろう。その前のとき「くらわんか」の八五郎をやってたので、全然違う役だなと思って。演出の荻田先生がくらわんかを見に来てくださったときに、「次回は全然違いますから、楽しみにしてください」って言って笑ったので、何だろうなーと思ったら、あ〜この役かと思って。
でもそうですね、読んだ時にはそう思ったんですけど、先生に「どういう風に作っていったらいいですかね」ってお聞きしたら、「ギュンターの過去とか性格面とか、そういうの全然いっさい描かれていないので、ミステリアスな存在でいてくれればいい」ってことで。不吉の象徴みたいな。なので、自分ではこうだっていうのがあっても、そういう存在でいれたらなと思いながら作ってみました。はい。
S はい。ドイツ人ということで、ポイントと言いますか、参考にした資料などはございますでしょうか。
T ん〜ドイツ人というよりも、美術品のコレクターというところで。そこまで金のバラに固執する感覚が分からなくて。で、他の組の同期が持っていた美術品のコレクターの漫画があったんですよ。それを読んだら、何かすばらしい絵は、正統な貴族・・・貴族じゃないな、家系の由緒あるところの人が持っていなければならないみたいな。そのためにその絵を、違う人の手に渡っていたら取り返しに行くみたいな。すごく怖かったんですけど、そういう漫画があって。それでちょっと、何となくその辺からヒントを得て作っていった感じです。はい。
S え〜と、ちょっとはっきり言って、ストーカーですよね。(爆笑)
T はっきり言うねえ。
S 皆さまの質問の中に、ストーカーってどんなところが楽しいですかって。(爆笑)
T 知らねぇよ。(つぶやくように。この乱暴な口調が、きゃ〜素敵)
どんなところが楽しいですか?まあそうですねえ。大体黙っていることが多いので、冷静に相手の心情とか動きが読めたりするので、今まで舞台に立っている感覚とはずい分違うというか。なんか落ち着いたところがあって見ている感があるので、その辺の場の空気だったりとか、イヴェットの歌とかも、イヴェットに自分を見つけられたときのイヴェットの緊張感だったりとか。何かそういうのを見て、毎回、毎公演会ってるのに、よくこんなにおびえられるなと思いながら。(笑)
何か本当に怖いんですって、舞台上で。(笑)早替わり室で横にいるんですよ。(笑)着替えをするんですけど、遠野あすかちゃんはずっと役を引きずるタイプなので、喋りかけないようにしてるかな。私は舞台に一歩でたら入り込むタイプなので、袖ではワーワーワーワーやってて。なんですけど、彼女はすごい入り込んでるから、あんまり話しかけたりとか、笑いを誘うようなことやっちゃいけないかなとか思いながらやってて。(舞台の上では?)彼女の方が、私もなんですけど、ピンていう緊張感が走ってて、その辺もすごい楽しいですね。はい。そんな感じで。
S そんなストーカーのギュンターさんですけど、(笑)意外とお洒落なところがありまして。あの砂よけのストールは?
T ほこりよけです。(笑)
あれは先生のこだわりなんですよね、なんか。大劇場の舞台稽古の時に長いまま置いてて、どうしたらいいのかって。最初は首に巻いたりとか、こういう風に、片方の肩だけにかけたりとか、いろいろやったんですけど、どうもしっくりいかなくて。挙句の果てに下級生とか、「王様巻きにしとけば〜?」とか、(笑。王様巻きってどんなの?)適当なこと言われて。「どうしよう、いらないよ、これ」って。(笑)先生は絶対して欲しいって、あの今の形に、こういう感じでこうでみたいな感じで、こだわりであの形になったんですけど。なので、あれはマラケシュで買ったってことになってるんです。
だから、前のパリの幻想の場面とかではつけてないんですけど。それでジャマ・エル・フナ、死者の場面、いろいろベルベル人の人たちがお店で買ったりとかしてるじゃないですか。あれで下級生の子が、ある日突然「最近ギュンター巻きが流行ってるんですよ〜」(笑)って言ってきてくれて。皆、買ってギュンター巻きではけたりしてるらしいです。(笑)そんな感じみたいです。はい。
S そして皆さまが気になっているのが、もう1つ、ギュンター狂気のヘアスタイルについてなんですが。(笑)
T はい。・・・(間)・・・え?これ?これについて?(笑)
S お願いします。
T え〜と、大劇場の途中から変えたのかな?何かやりたかったんですけど、ドイツ人らしさを失いたくないなと思って、崩さずに演技だけで狂気を出してたんですけど。ちょっとくらい崩していった方が、見た目でも分かりやすいと自分でも思い始めて。周りの同期生も「やってみたら?」みたいな感じで。である日、じゃあって、出番の直前くらいにがーってやり直して。それで「いいよ」って言われて、そこからやるようになって。前髪だけだったんですけど、いろいろやってるうちに、やってると物足りなくなるんですかね。(笑)なのでちょっとずつ、自分の気持ちが入り込みやすいな、みたいな感じでやってます。はい。
S はい。その狂気のヘアスタイルで登場されたときに、春野寿美礼さん扮するリュドヴィークとの対決のシーンがございますけれども、刺されて息絶えた後、死人の演技で気をつけている点は何かございますか?
T 死人の演技?(笑)せり下がるだけですけど。
新人公演見て、1階からだとせり下がっているのが本当に見えないんだと思って。枠の中に必ず入らないといけなくて、でもあんまりすごく分かってしまっても嫌だしというところで、毎日微妙に位置が違うんですけど。バタって倒れた瞬間に、その横に進行さんがいらっしゃって、いつも「(抑揚なく)入ってます。」(笑)「OKです。」どことつながっているのかやってて。私は、ああちゃんと枠の中に入ってるんだな。(笑)出てると、大劇場の時とかは最初慣れないから、「(小声で)蘭寿、足出てる」(笑)って言われて、春野さんが通り過ぎてからちょっと直したりして。そんな感じなんですけど。東京は全部入ってるんですよね。
そんな苦労しながら死んでます。死人の演技についてでした。(笑)
S ありがとうございます。
ここでリュドヴィークを刺すナイフなんですけれども、現地調達ということでよろしいでしょうか。(笑)
T 現地調達?ですよね。パリから持っていってないですよね。ひっかかりますよね、持ってく時点で。(笑)
面白いこと聞くね。
S はい、ありがとうございます。
では次に、ショーのお話をうかがいたいと思いますが。シャンソン・ド・パリで、パリのタンゴという曲にのせて、遠野あすかさんと楽しげにタンゴを踊られておりますけれども、これはまた、先ほどのギュンターとイヴェットのタンゴとは違って、とてもいい雰囲気なんですけどいかがですか。
T そうですね、同じタンゴというのがねえ。しかも遠野あすかちゃんと組んで、全く違うんで、すごいそれが楽しいです。あそこはメドレーなので、タンゴらしさと、割とちょっと大人っぽいのを狙ってやるんですけど。曲もすごく好きですし。プロローグもお衣装が真っ白で、大好きで。最初男役が1列になって出てきたりとか、何か花組らしい感じがして、あそこはすごく好きですね。プロローグは好きです、はい。
S エトワールの美女、春野寿美礼さんをエスコートされておりますけれど、その時のご気分はいかがでしょうか。
T 本当綺麗なんですよ、近くで見ても。遠くで見ても綺麗だとは思うんですけどね。(会場どよめき。綺麗?むしろおかま・・・失礼)あぁ綺麗だな〜と思って。毎日エスコートして、すごく気分がいいですよね。気持ちいい〜って。なので、春野さんもなりきって、私たちもなりきってやってるみたいな。はい。
S そのあとに、ラ・ムールという場面で、アレキンという役柄ですね、あれは。
T そうですね、誰も呼ばないんですよ。アレキンという役名なんです、実は。はい。
S あちらなんですけれど、別に悪者ではないですよね。(笑)
T すごい悪者みたいですよね。なんだか、いい感じになってきてたところに登場して。バラとかも、春野さんがどうもあれは、すごく大事に大事に育てた1本みたいで(笑)、踏んでくれてありがとうみたいな。踊って踏んじゃったりとかするんですけど。(笑)まあ私にとっては、どうってことないバラなんですけど。(爆笑)ルイーズさえって感じなんですけど。
悪者に見られてるんだなっていうのが可笑しいのと、衣装にツボって。ターバン、額のあれが、ちょっと昔風のノリの、あれをつけるたびに自分はツボってるんですけど。ちょっとレトロ風な場面で。それはそれで楽しんでます、はい。
S その後、ニューヨークシティの旅の青年という役で、ジャケットのさばきがとても大変そうなんですけど、いかがでしょうか。
T 本当に時間ないんですよね〜。あんなに急いでる姿を、なにも銀橋で着替えてる姿を。(爆笑)何回やっても疑問で、大劇場の前に訴えに言ったんですよ。「本当に忙しいんですよ」って。あれにまだ最初はスカーフをしてて、ネクタイをしてほしいとか言われて。「絶対に無理ですから。やってみてください」みたいな感じで。なんですけど、それはじゃあ何とかって。「それほどまでしてニューヨークに行きたいっていう芝居にしてくれ。」「そうか〜」みたいな感じで。だいぶ慣れてはきたんですけど、最初の頃は、とりあえず脱いでバン!って入れちゃえみたいな感じでやってたんですけど、ちょっと時間の余裕ができたりしてるので。そんなこんなを楽しんでもらえたらと。
(最初すごいラフな格好してて、着替えてばりっとスーツっていうならまだ分かるけど、ジャケットだけ変えてもねえ〜。あんまり意味ないんじゃないかと思うんですけど、とむくんも納得いかないんですね。)
あそこは、ニューヨークの場面はそこが大変なんですけど、その後本舞台に戻ってきてからは、いろんな人がいて、本当に所狭しとみんな踊ってて。私たちは前で3組のカップルみたいな感じで。あそこも一瞬なんですけど、桜一花ちゃんと組んでるんですけど、すごくハッピーな感じで。ちょっとほっこりみたいな場面ですかね。はい。
S そして何といっても欠かせない場面、ロケットボーイです。(笑)何と前作品に続き。
T 筋肉マンロケットでみそめられたらしくて。(笑)振り付けの先生も同じ先生なんですけど、突然大劇場公演もほぼ終わりにですね、「実はね・・・」にこにこにこにこ笑ってるんですよ。「もしかして、ロケットですか?」「そう、やってもらうから」って。「はあ、そうですか」「歌もあるから、歌も」「本当ですか?」「でもね〜、足上げてもらおうかな〜」(笑)「え!本当ですか!?分かりました。場面が丁度空いているので、もしやと思っていたんですけど」っていう話をして。先生も丁度出れるなと思ったらしくて。
お衣装もちゃんと新調で作っていただいて。本当はあれに、こんな大きい羽根をせおう予定で。デザイン画を見て、うわあ素敵だなぁと思って、お衣装合わせに行ったんですよ。行って、合わせて「じゃあ羽根は」って言ったら、「あぁあれ、カットになったから」って。(笑)「え?」「振り付けの先生から、すごい踊ってもらうからいらないって言われたんで」(笑)「本当ですか、はぁ分かりました」で、あの頭が3本の。(爆笑)こんな大きい羽根が3本になっちゃったよ〜って。(笑)でもまあ、すごく踊るからいいか〜と思って。
いざ振り付けになったら、うわ〜っと一気について。1日でまず大体ついて、2日3日でみたいな感じで、期間短かったんで。すごい、こんなに踊るの?みたいな。前半はほぼ歌って、足上げくらいから参加かなと思ってたんですよ。
初舞台生は、大劇場公演の花道から見てたんですけど、うわ〜すごい。若いってすごいなって思って。(笑)やっぱり覇気が違うよねって。花道から、丁度下手の花道から出て行く下級生を応援してたんですよ。「がんばってね」「はい(初舞台生っぽい可愛い声で)」(笑)と言って。下級生の子が、出て行く前にカウント取りながら、「1234」って。すごい可愛い感じで、初々しい感じで、初舞台こんなときがあったんだね、と思いながら見てたんですけど。実際自分がやるときに本当にそこから出てて。しかも同じ子が、白姫あかりちゃんかな、初舞台生の子が、ちょうどそこから出るときに頑張ってね、なんて言ってたうちの1人なんですけど、花組配属になって。「え〜出てますね」とか言われて。(笑)「本当だよ。本当にびっくりだよ。予想外の展開だよね」みたいな話になって。
そうなんですよ。でも初日出て行ったときに、すごい笑いとすごい拍手をいただいて、何となく手ごたえを感じたので、これはちょっともう、1ヵ月半突っ走るしかないなみたいな感じで。今は、ほぼ前半は芝居だと思ってやっております、はい。そんな感じです。
S そのラインダンスなんですけれども、何か可愛いひと言を発してらっしゃるよね。あれはいつ考えていらっしゃるんですか?
T あれは、芝居の空き時間か、ショーの前の休憩かですね、大体。それで、いつも私の周りを回ってくれてる子が、マイク持ってないんですけど、私のマイクに向かってひと言言うのが、割と入ってるっていうことに気がついて、その子と2人で「今日は何にしようか」っていう感じで決めてるんですよ。
今日ねー、面白かったのは、今日父の日じゃないですか。で、その子が「お父さ〜ん!(すごい高い声)」(笑)って言ってきて、「お、お父さん!?」引っ張って「お父さーん」とかなって。「お、お父さん頑張るぞ」(笑)すごい笑いがきて。そでとかで皆さん、すごい笑ってたらしくて。
はけて、次フィナーレのすごい早替わりなんですけど、皆「お父さん頑張って、お父さん頑張って!」(笑)すごい応援されて。「頑張ってるよ、お父さんも」(笑)そんなこんなで楽しんで、はい。
S それでは、まだまだ公演は残っていますので、お父さんにならずに、若々しく頑張ってください。(笑)
 この後、握手&テーブルごとの記念撮影になりました。今回は、プレゼントを用意しました。金のバラ・・・は無理だったので、バラのフレグランスのバスグッズ。

続く