嵐が丘

 ヒースクリフとキャシーの激しい愛と憎しみの物語。和央ようかのヒースクリフは、情熱と野心を内に秘めた、激しいキャラクター。狂気なんていう形容詞があっているかも。黒髪ロン毛の嫌な奴、たかちゃんのあたり役は、やっぱりこれでしょう。
 久路あかりのキャシーも、負けずに激しかった。昔原作を読んだとき、あまりの話の暗さに理解不能だったけれど、この2人を見ていたら、それも愛なんだな〜と、分かった気がした。
 

激情カルメン

 カルメンの物語。姿月あさとのホセは、まじめな青年。若いな〜。やっぱり主役はカルメンだった。花總のカルメンは、ちょっとスレンダーすぎたけれど、情熱的に演じていた。エスカミリオ、キザで格好良くて、これぞ男役という役なのに・・・湖月わたるは迫力不足。いい役なのに、わたるくん、頑張ろうよ。
 謝珠栄演出。ビジュアルを効果的に使っていて、とてもよかった。
 
フィガロフィガロ
 オペラの「フィガロの結婚」は名前を聞いたことがあるだけだけれど、この話はとにかく笑えた。
 アルマヴィーヴァ伯爵に連れられて、南米のボリビアにやってきたフィガロ(水)。現地で出会ったスザンナ(彩乃)と恋に落ちるけれど、話の中心は2人の恋物語ではなくて、アルマヴィーヴァ伯爵(箙)や医師バルトロ(真中)、家政婦のマルチェリーナ(出雲)、その他もろもろ絡んでのスラップスティックコメディ。とにかくこのベテラン3人が可笑しくて、本当にいい味だしてる。水ちゃんのフィガロも陽気で楽しいのだけれど、実は2役のアントーニオがなかなかのキャラ。渋く格好つけるほどに笑えるっていうのは何なんだろう。神父姿も女装も見られて、なかなかの芸達者ぶり。ラスト、フィガロが「アントーニオが出てくるのは無理じゃないかな」って言うけれど、宝塚の舞台じゃなかったら出てこれただろうね。(双子の妹さん・・・似てるのかな?)
 
Never Say Goodbye(新人公演)
 本役の主演コンビがあっさりしすぎていたので、ジョルジュの冷静さと情熱をあわせもっている感じも、キャサリンの自分の意思に正直に生きる様子も、新公のちぎちゃんとアリスちゃんの方がよく出ていた。 情熱的なマタドールのヴィセント、たにちゃんはがんばってる感が見えすぎて痛かったけれど、弥里君は正統派に格好良かった。
 群舞の人数は少ないながら歌もダンスもそろっていて、プロローグとラストのナンバーが特にいい。 本公演以上に感動しました。
 
STAY GOLD
 陽月華、美羽あさひ、七帆ひかる3人のさよならショーのような作品。 うめちゃんの花蓮や七帆君のエリックはしみじみするのだけれど、雨に唄えば&逆転裁判のコメディシーンが楽しい。 退団が惜しまれてなりません。
 
Je Chante
 シャンソン歌手シャルル・トレネ(凪七)の物語・・・と言うか、主役はその恋人ジジ(花影アリス)に見えた。 アリスちゃんは、こういう自立した女性がはまり役。娘役人生の集大成でした。
 1幕は、シャルルとコンビを組んでいたジョニーの鳳樹いち君が元気で楽しげ。ウェイトレスのすみれ乃麗ちゃんも可愛い。 2幕は完ぺきにジジ改めリーズの物語。ナチス少佐の弥里くんが、クールでキレ者っぽそうで最高に格好いいのだけれど、口を開けば「リーズ、リーズ、リーズ」 権力で縛ろうとして、それでも彼女の心がシャルルに移っていくのを止められなくて、最後嫉妬心から思わず銃の引き金を引いてしまう。 なんて可哀想な男。そして、弥里くんが素晴らしい熱演。