ジャスティンがクラブで出会った女性は、7年前の夏に出会い、愛し合い、そして結ばれなかった伯爵家の令嬢、イヴェットだった。イヴェットは、事業に失敗した父親のため、貴族の家柄を守るために、愛のない結婚をしようとしていた。 ジャスティンが経営する探偵社に、伯爵家が倒産した経緯に不審な点があるので調査してほしいと、会計士が依頼に来る。調査を進めるうちに、イヴェットの婚約者であるグザビエが一枚かんでいることを突き止める。 伯爵家は再興し、イヴェットの婚約は解消。ジャスティンは、探偵社を共同経営者のオーランジュ男爵に託し、自分の夢をかなえるため、イヴェットと共に旅立つ。 ラストがちょっと調子よすぎ。ジャスティンがフィアンセと別れるのは必然っぽいのでいいけれど、最後は1人で旅立つ方がすっきりする。ハッピーエンドが悪いわけではないけれど、邪魔者が消えて、めでたくゴールインというのはちょっと・・・。 後の仕事をオーランジュ男爵に託していくというのが、さりげなくさよなら公演ぽいのだけれど、実際はらんとむ君が引き継ぐわけでないのが残念。こういうのは、やはり次期トップさんに託してもらいたいものです。(祐飛くんは好きなんだけど、落下傘トップは好きになれない。) ジャスティンの大和悠河。もしかすると、正義感が強くて、男気のある男性のつもりだったのかもしれないけれど、私にはワンマンな乱暴者にしか見えなかった。エストールを乱暴に扱うのはともかく、奥さんまで張り倒すって絶対おかしい。イヴェットに対しても、自分の欲望のままにホテルに連れ込んだように見えるし。 ここのデュエットダンス(春風弥里&大海亜呼)、あまりにエッチでびっくり!たにちゃんは、明るく天真爛漫な役はいいけれど、無理に男っぽくしようとすると、何か変です。 イヴェット、陽月華。理性的で凛とした女性。愛し合っているなら駆け落ちすればいいとか、私さえ我慢すれば皆幸せになれるとか、そういう無責任だったり、恩着せがましかったりするキャラでないのが、清々しくて、うめちゃんの個性によくあっていました。 そんなイヴェットが、なぜ最後にジャスティンについて行こうと思ったのかが不思議なところ。そもそも、少女の頃のひと夏の恋なんて、焼けぼっくいに火がつくほどのものでもないだろうし。 オーランジュ男爵、蘭寿とむ。割と普通に貴族のダンナでした。 ジャスティンのフィアンセ、ヘレンの美羽あさひ。最後、ジャスティンに別れを切り出す感情が、とてもよく分かります。自分のことしか考えていないジャスティンなんてさっさと忘れて、もっといい男を見つけるんだよ〜。 グザビエ、悠未ひろ。また悪者。出てきたときから悪そうで、やっぱり諸悪の根源だった。 会計士クリストフ、七帆ひかる。オールバックのクールなルックスの割に、案外小心。これで七帆くんが見納めなんて、本当に残念でなりません(涙)。 エストール、十輝いりす。伯爵が保証人になっていた会社の社長。実はグザビエにはめられただけで、娘を思い、家族を思っての破綻だったのに、ジャスティンに暴行を受けて可哀想。 芝居もショーも、同じような色物のドレスとスーツの群舞が多くて、どのシーンも似かよった印象でした。 それから、らんとむ君の手話のナンバーは、宝塚でやる意味が分からない。全編字幕がつくならいいけれど、そこだけ手話があっても、本当に耳の不自由な人が楽しめると思えない。それより、もっと踊ってもらいたかった。 |