宙組
白夜の誓い
PHOENIX 宝塚


2015年1月30日
於・東京宝塚劇場

 スウェーデン国王グスタフ3世の半生。 議会の圧政に苦しむ国民を救うため、クーデターを起こして実権を取り戻し、新たな専制君主国家を築いたグスタフ。 最後は意見の対立から、軍元帥であり旧友でもあるヤコブに暗殺される。

 とても綺麗な舞台でした。 金とレースに埋め尽くされたきらびやかな衣装、宙組の見目麗しい生徒さん、これぞ宝塚という華やかさ。 でも正直なところ、そのほかの印象がほとんどない。

 グスタフ、凰稀かなめ。 若干ラインハルト様(@銀英伝)のデジャヴ感はあるけれど、ブロンドに宮廷服がよく似合って、ビジュアル的には文句の言いようがないです。
 ただ・・・国政を私物化する議会に反旗を翻す、立派な国王だとは思うのだけれど、そんな激しい情熱とか強い意志とか感じないんですよね。 愛する女性がいたけれど、国のために愛のない政略結婚をするというのも、たとえば 「太陽王」の礼音くんだともっと強く女性の愛を求めてた感があったけれど、かなめちゃんは淡々としていて愛とかどうでもよさそう。 綺麗なんだけど盛り上がらないまま、最後の場面まで行ってしまった感じでした。

 ヤコブ、緒月遠麻。 グスタフの幼なじみで、誰よりも心を通わせる親友だったのに、権力を握るグスタフとの間にすれ違いが生まれる。 きたくんもぎらぎらしたタイプじゃないから、2人揃ってヒートアップする感じじゃなく、単に意見が合わないだけかと思ってた。 そうしたら、最後いきなり暗殺って・・・!
 「銀英伝」のキルヒアイスは、ラインハルト様を見守ることしかできなかった。
 「ナポレオン」のマルモンは、ナポレオンについていけなくなって離れて行った。
 「太王四神記」のヨン・ホゲくらいかな?幼なじみの親友を殺そうとしたのって。
 きたくんのヤコブだと、見守るか離れていくかどっちかのタイプに見えるので、唐突過ぎて、いったい何にそこまで腹を立ててるのか分からなかった。

 王妃ソフィア、実咲凛音。 凛とした女王で、気位が高い感じが素敵でした。 段々グスタフに思いを寄せていくのも自然体。

 グスタフの想い人イザベル、伶美うらら。 ラブシーンもないし、グスタフも淡々としていて愛し合ってる感がほとんどないのだけれど、イザベルのつつましやかな聡明さはよく分かりました。 王妃よりイザベルの方がヒロインっぽい役。

 ニルスの七海ひろき。 ルイジ・バンパ(@モンテクリスト伯)のデジャヴっぽい。 苦労している民衆代表のはずなのだけれど、かいくんは明るくて悩み知らずに見えてしまう。 それがかいくんの持ち味でいいところなのだけど・・・役にあってないって言うか、何と言うか。

 リリホルン、朝夏まなと。 あまり重要な役に見えなかった。 今回に限らず、いつもまなとくんは重要に見えない。 感性が合わないんだと思う。 次期トップ大丈夫だろうか・・・

 ショー「PHOENIX 宝塚」キラキラ華やかで楽しいショーでした。
 プロローグ、大階段板付きのかなめちゃん。 布が飛んだら赤い衣装の生徒さんの総踊り。 幕開けから華やかです。 宙組若手メンズの銀橋もごちそうさまでした。

 フェニックスの秘宝を守るキタ刑事と怪盗カナメの七変化。 きたくんは雪組に残って銭形刑事をやってもらいたかった。 いや本当によくお似合いでした。 かなめちゃんの七変化は単純に面白かったのだけれど、一番印象に残ったのは最後のドレス姿でした。 ありきたりの表現になってしまうけれど、本当にきれいです。

 砂漠のトカゲ・・・じゃなくてサラマンダー。 エキゾチックなナンバーが素敵でした。 個人的にりくくんが好み。

 鳥の中詰め。鳥らしいのだけれど、ロケットのフラミンゴ♪以外は分かりませんでした。

 白と黒の対決ナンバー。「Shining Rhythm」の光と影のナンバーと同じ衣装? ここも、りくくんが好きでした。 真っ赤なフェニックスが争いを終わらせたあと、真っ白になって復活。

 最後は大階段の黒燕尾で〆。 宙組のビジュアル万歳なショーでした。
 かなめちゃんのさよなら公演なのだけれど、かなめ&きたさよなら公演という印象が強かったです。