不老不死の薬を飲まされ、300余年の時を生きるエロール。
彼が生涯のうち、ただ1人愛した女性の末裔で、同じ名を持つフリーダが、故フリーダの遺産をめぐって裁判を起こした。
エロールは、故フリーダが遺した封書を手に入れるべく、フリーダ、そして訴訟相手の男爵家の母娘にも近寄る。
長い人生の中で愛を見失いかけ、一人生きる悲しさを抱くエロール。
不老不死とは一体・・・?
初演を見て面白くないと思ってたのだけど、演じる人が違うと、こうも印象が変わるんだと痛感しました。 あらすじも、前回は「長い人生の中で、人としての愛を見失い、虚無の中に生きるエロール」ってまとめたけど、今回は印象が違い過ぎて変えました。 エロール、愛月ひかる。 孤高のおさに比べて、愛が見える愛ちゃん。 フリーダ譲とは本当に愛し合ってたんだなって分かる。 カメリアに対しても、おさは気まぐれな時間つぶし、本当に女なら誰でもいいって感じがしたけど、愛ちゃんはその時はそれなりにちゃんと愛してたように思える。 ずっと過去の愛を引きずってて、辛かったんだろうな。 クライマックスは引き込まれました。 愛ちゃん、泣くとか反則だよ!こっちも切なくなる。 タイトルの「不滅の棘」、心にずっと棘が刺さってるって言う台詞があるのに、前回は全く響かなかった。 今回、このタイトルの意味がすごくよく分かりました。 おさ仕様に作った作品だから、わざとらしくキザったり、女の子はべらせたりするのが、ちょっと違和感あった。 「良かったけど、あそこはこうした方がいい」って言うのはエロールにはお気に召さないようだけど、愛ちゃん仕様にちょっとナチュラルに変えても良かったのに。 あと、本当にフリーダ嬢を愛してたって言うのが最後の独白で分かるだけに、2人の幸せな場面を見たかった。 可哀想すぎて。 アルベルト、澄輝さやと。 誠実そうで、強気でガンガン押すタイプじゃないのに、それでもフリーダを守りたいという気持ちがやさしい。 胡散臭いエロールの詐欺(ではないんだけど)を暴こうとするのも、なるほど、誠実さゆえって感じがする。 フリーダ、遥羽らら。2役好演してました。 お嬢さんより現代っ子の方が生き生きしてたかな。 ハンス、留衣蒔世。最後母親を突き放す場面の熱演っぷりが良かった。 カメリア(美風舞良)とタチアナ(純矢ちとせ)は、安定の演技力。 クリスティーナ(華妃まいあ)がありがちなカワイ子ちゃんなので、グイグイ入り込んでくる。 まいら姉のジプシーナンバーも盛り上がって、良かった。 みんな芝居上手だし、どの役も感情がすごく伝わってきて、前回よりずっと感動しました。 カレル橋と塔のセット。初演を見て是非プラハに行きたいと思って、昨年やっと夢がかないました。 今回改めて舞台を見て、やっぱり素敵だなって再確認。 |