はるかな未来。地球を捨てた人類は、宇宙で暮らすようになっていた。
皇帝と門閥貴族による銀河帝国と、その圧政から逃げ出し民主主義を掲げる自由惑星同盟は、絶えず争いを繰り返していた。
銀河帝国の若き英雄ラインハルトは、最愛の姉を皇帝に寵姫として奪われたことを恨み、帝政打倒と宇宙制覇という野望を抱いていた。
対する自由惑星同盟には、ヤンと言う名将がいた。
ラインハルト・フォン・ローエングラム、凰稀かなめ。 宇宙一美しい姉弟と称されるのが納得のビジュアル。軍服に金髪でマントをひるがえす姿は、これぞ宝塚。 喜怒哀楽が激しくて、シスコンで、甘えん坊のすねた子供みたいなところもぴったり。 ヤン・ウェンリー、緒月遠麻。 激しやすいラインハルトと対照的に、穏やかで朴訥としていて、でも自分の芯は絶対に曲げない。 こちらもぴったり。声を荒げずに戦闘シーンやムカつく相手と対峙するって、大したもんです。 ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ、実咲凜音。 一番@TAKARAZUKAなキャラクター。 ラインハルトを敬愛して、でしゃばりすぎないけれど的確な存在感が、上手に組み込んだな〜と思います。 最後絶望したラインハルトをしっかり支えて、未来に向かって前向きに進んでいく感じも、@TAKARAZUKAな感じでよかったです。 コミックスのラストは痛々しすぎるので。 オーベルシュタイン、悠未ひろ。 登場した瞬間から怪しさ全開、ものすごい存在感です。 お辞儀一つ、目線一つ、この人は只者じゃないと思わせるオーラ。 はまり役です。 ジークフリート・キルヒアイス、朝夏まなと。 ラインハルトが唯一心を許す親友・・・というか既に恋人? コミックスを読んでとても気に入ったキャラだったのに、まなと君のキルヒアイスは全然違う。 もっと大きな心で包み込んで、ラインハルトが絶対的な信頼を置くにふさわしいたたずまいが欲しいのに、いけてない。 厳しい忠告もキルヒアイスが諭すように言うからこそ、あれだけ強情なラインハルトがおれるってもんだろうに、あんなに声を荒げたらダメでしょう。 がっかりでした。 ユリアン、怜美うらら。この人、男役でいいんじゃない? 背も高いし、しっかり者で好感の持てる少年。もし男役だったら今後注目の若手男役だったのに、もったいない。 ヤンとの絶妙の呼吸が良かったです。 アンネローゼ・フォン・グリューネワルト、愛花ちさき。 ラインハルトと並んで宇宙一美しい姉弟と言われる寵姫だけれど、弟に比べて地味。 穏やかで控えめなたたずまいはいいのだけれど、絶世の美女と言うにはちょっと微妙でした。 キルヒアイスの死後弟のそばから去るところが、彼女の唯一で最後の自己主張だったのかと思うと、かわいそうな女性です。 ロイエンタール、蓮水ゆうや&ミッターマイヤー、七海ひろき。 左右の瞳の色が違うロイエンタール、瞳の色は分からなかったけれど、メイクで妖しい雰囲気が出ていました。 ダンスナンバーは格好良かったのだけれど、個々の個性が分かるシーンがあまりなくて残念でした。時間足りないんですよね。 ジェシカ、純矢ちとせ。 士官学校生のマドンナ的存在なのだから、可愛くて愛される雰囲気があっていいはずなのに、気が強いばかりの可愛げない女性になっていた。 この人が演じると、いつも強いだけで可愛くない女性になるのだけれど、もうちょっと芯は強くても柔らかい雰囲気とか出ないものなんでしょうか。 ジェシカも残念キャラでした。 ブランシュヴァイク公、一樹千尋。 あのいさぎ悪すぎる最期は賞賛もの。さすがです。 アンスバッハ凪七瑠海は、結構おいしい役なのだけれど、あれは歳を重ねた重みが大事だと思ってしまいました。 何もかも分かっていて公に殉じる大物感は、カチャには無理でしょう。 フェザーン領主ルビンスキー、鳳樹いち。 単なるストーリーテラーになってしまいそうな役回りなのに、いち君の強烈な存在感で、ルビンスキーが陰で宇宙を牛耳っている感じがすごくよく出てました。 さすが。 プロローグや随所に散りばめられた戦闘シーンの群舞は綺麗でした。 レーザー光線が効果的で、宝塚ならではの豪華さ。 戦争のなまなましさが出ないのは仕方ないのかな。 前半、宮廷内部やラインハルトの少年時代、出撃前のデュエットダンスなんかに時間が取られすぎて、後半バタバタしすぎた感があるのは残念でした。 ラインハルトとキルヒアイスの間柄がもっと親密に見えていたら、キルヒアイスの死〜ラストまでもっと盛り上がったんだろうけど。 @TAKARAZUKAなので、戦争の悲惨さよりは情愛、政治的な駆け引きよりは人間関係の方が目立ってましたが、 綺麗にまとめたなという印象でした。 |