戦争に生きた聖女ジャンヌ・ダルクと、恋人ピエールの悲恋の物語・・・だと思っていたら、ずいぶん趣が違っていた。源義経が大陸に渡って、チンギスカンになったという話くらい、思いきり史実を離れた、大団円の物語。 傭兵隊隊長ピエール、和央ようか。態度悪い、ガラ悪い。本当にこういう役は、たかちゃん似合う。「服だけでなく、中身もいただこう」って、いきなりジャンヌを道端に押し倒して、なんて荒くれ野郎。でもこういう役の時のたかちゃんが、格好いいと思う。二日酔いでベッドに大の字で寝てるシーンとか、最後捕まった時のふてくされた態度とか、たかちゃんでなければ、さまにならない。 ジャンヌ・ダルクの花總まり。前回、「おまえの首は私のもの!」なんて恐ろしいことを言っていた人と同じとは思えません。純粋というか、天然ボケというか。ピエールに押し倒されたとき、「私は生娘なのです」と言い放ったのは、「あの娘を堕としたら、私をさしあげましょう(仮面のロマネスク)」と同じくらいの衝撃を受けました。「純潔をあなたにささげます」は、真珠夫人かと思った。傭兵野郎つかまえて未経験だのなんだの、ちょっとやりすぎの感じ。 傭兵仲間たちは、みんな荒くれ野郎だけど、元気でにくめない。ロベール(水夏希)は、「女の指揮下で働けるか!」なんて言ってたけれど、最後は女の力で出世してるし。そう言えば水ちゃん、オスカル様やってたっけ(=女の指揮官)。 ジャンヌの替わりに火あぶりに処せられてしまったカトリーヌ、華宮あいり。目立つ役だけど、最後の公演で女役っていうのは、ちょっとかわいそう。大団円の犠牲者だし。きれいだし、すごい迫力あったからいいのだけれど。 満天星大夜總会。「マイ・ネーム・イズ、はなちゃ〜ん!」にはちょっとびっくり。あのアイドルドレスが似合うのは大したものだけれど、花ちゃん、さすがにこういう役はそろそろどんなもんでしょう。 |