宙組
神々の土地
クラシカル・ビジュー


2017年10月31日
於・東京宝塚劇場



 ロマノフ王朝末期。 皇后は怪しげな僧ラスプーチンに心酔し、民衆の不満は募っていた。 ユスーポフ公はラスプーチン暗殺を計画し、皇帝の従兄弟であるドミートリィに打ち明ける。 ドミートリィには心寄せる女性イリナがいたが、皇女オリガとの結婚話が上がっていた。

 ドミートリィ・ロマノフ、朝夏まなと。 男も女も惚れる男・・・なんだろうけど、個人的にまなとがあまり好きでないので、良さが分からなかった。

 ユスーポフ公爵、真風涼帆。 ユスーポフと言えばオルフェウスの窓のユスーポフ侯があまりにいい男だし、真風のビジュアルからも期待していたのだけど、思ったほどじゃなかった。 ラスプーチン殺害が、まなと1人で終わってしまったのが残念。 イリナを愛していて、ドミートリィのことも大事に思っていて、その2人が愛し合っているのを見て割とつらい立場だろうに、さらっとスルーされてる感。 最後アメリカ人相手に口八丁してるのが、妙にサマになってた。

 イリナ、怜美うらら。 ドレスの後ろ姿が美しくて、息を飲むほどの凛とした美貌。 もったいないな〜。 今回も間違いなくヒロインだったし、真風との相性を考えても、トップ娘役として1作でもいいから組んでもらいたかった。 イリナ自身は本当に不器用な生き方を選ぶ人だとは思うけど、うららちゃんの存在感で納得させられてしまう。

 オリガ、星風まどか。 台詞が聞き取りにくくて、怒鳴るシーンとかキンキンしてて何言ってるか分からないし、芝居心ないし、可愛げないし。 今回は愛のない婚約だとしても、別に可愛げはあっていいと思う。 真風との並びも全然合わないし、せめてもうちょっと成長してくれることを期待します。

 ラスプーチン、愛月ひかる。 愛ちゃん、汚れ役が板についてきて。 単なる怪僧って言うんじゃなくて、割とキャラも立ってた。 愛ちゃんが2番手で全然良かったんだけどな〜、何でキキ来るかなあ。

 近衛兵3人組。あっきー、りく、ルカゼ。 この3人組好きだわ。 酒場の女に本気惚れした誠実そうなあっきー。 自分の手で殺してしまって可哀想だった。 ルカゼは立ってるだけで格好いいので、今後楽しみ。
 初めの大階段のナンバー、上背ある宙組男子が軍服で踊るのが、すごく格好良かった。

 酒場の民衆たち。 ロシアなのにジプシーなの?コサックじゃないの?って気がしたけど、とりあえず格好良かった。 貴族のスッとした格好良さと真反対の、土臭くて迫力ある格好良さ。 あっきーが惚れた瀬音りさの歌も力強いし、和希そら君のダンスもいい。 個人的に桜木は好きじゃないので、スルーの方向で。

 すっしーさんの皇太后、りんきらの皇后、さすが男役。 衣装がゴージャスだった。

 全体に暗い話であまり救いようはないし、感情移入できる役もないのだけど、ラスト全員が舞台に集まって来る演出が好きだった。 土地に神が宿っていて、人々がそこに生かされているって感じ。