宙組
ヴァンパイア・サクセション


2016年5月22日
於・KAAT



 ヴァンパイアのアルカードは、700年という長い時を生きるうちに、生き血を飲む必要もなく人間と共存できるようになっていた。 ルーシーと出会いお互い惹かれあっていくうちに、アルカードは永遠の命などいらないと思うようになる。

 アルカードの真風涼帆。長身にクールな衣装が、とっても格好いいです。 でも正直、マカゼが格好いい以外には何の見どころもない作品でした。

 永遠の命を持った者の苦悩。 まず思い出したのが「薔薇の封印」と「BJ」。 薔薇のりかちゃんは最初から苦悩をしょってたけど、えみくらのいじらしさと健気さにほだされて、 愛し合うようになるのがすごくよく分かる。 BJのともみんは、せしる君のためにはどこまでも自分を捧げて、何があっても一生彼女を愛し抜くだろうって分かる。 それでも、人間と永遠の命を持つ者の溝は埋められなかった。 今回みたいなハッピーエンドが悪いわけじゃないけど、いつお互い惹かれあったのか、 命をかけるほどまで覚悟のある愛なのか、全然見えてこない。

 要はヒロイン、ルーシーの星風まどかが全然可愛くないんです。 演技とか雰囲気とかが平凡すぎて、マカゼとは全くあわない。 ヒロインが可愛いと思えないと、この手の話は無理ですね。

 うららちゃんのカーミラは良かった。 はすっぱでイケイケ系かと思いきや、ちゃんと感情移入できる。 病室のシーンは、老婆のセリフよりグッときました。 何よりマカゼとの並びが最高にあってる。 ビジュアルもあってるけど、演技の相性が本当にぴったりで、この2人が組むと周りがかすんで見えます。

 ヘルシングの愛月ひかる。 そこそこに格好いいけど、マカゼに比べると普通の青年。 可愛いからいいんだけど。 アルカードの世話を焼きすぎだし、まんまとカーミラに引っかかってるし、人のいい青年なんだろうなってのはよく分かります。

 あとは特に印象に残らない作品でした。