宙組
美しき生涯
ルナロッサ


2011年7月27日
於・東京宝塚劇場



 豊臣秀吉の家臣、石田三成の物語。主君秀吉への忠義を尽くしつつ、側室茶々への報われない愛との間で葛藤する。

 石田三成、大空祐飛。君主でもないのに民のため尽力するとか言っている段階で、意味不明。 主君に忠誠を誓うと言っている割には、疾風に言われるがままに茶々と関係を持つし、実直で清廉潔白というよりは、融通が利かなくて好きになれないタイプ。

 茶々、野々すみ花。自己中で可愛げない姫。何で何人もの男に愛されるのか分からない。

 疾風、凰稀かなめ。茂みの中からだったり、物陰からだったり、常に三成と茶々を覗き見しているストーカー。 忍びって、本来誰かに雇われているから成り立つ家業だと思うのだけれど、疾風はどうやって生計を立てていたのだろう? かなめちゃんは、こういう自虐的な癖のあるタイプが似合うのかもしれないと、今回思いました。(クライドとかヨン・ホゲも良かったから。) 変に熱く茶々に想いを寄せるとうっとおしいけれど、クールにさらっと流す感じが重くなくていい。 さぎりを誘惑するところが色っぽくて、なかなかおいしい役でした。

 さぎり、純矢ちとせ。見ようによってはもっと感情移入できる役だと思うのに、なんか可愛げなかった。 はすっぱすぎるのかな。

 七本槍の面々。始め出てきた時は、みんな上背があって押しだしが強くて格好いいと思ったのに、ぱっとしない扱いで残念。 せっかくこれだけ見栄えのする男役さんが揃ってるのに、もったいない。

 大河ドラマを見ているみたいで、どのキャラにも感情移入できないし、あまり楽しめなかった。 戦国ものは難しい。

 ショー「ルナロッサ」。エスニックムード満点で、ちょっと群舞が多かったとは思うけれど、楽しめました。
バザールの白ネコ、すみれ乃麗ちゃんが可愛い。 月下美人のかなめちゃん相手に、それでも身長差がある悠未くんの大きさに見惚れました。 宙組の男役さんは、本当に格好いい人が多くて、ショーは楽しいです。 黒燕尾も格好良かった。 圧巻だったのが砂のダンスナンバー。砂漠の砂が風に吹かれて動いているようで、綺麗でした。