ハリウッドで出会ったカメラマンのジョルジュと劇作家のキャサリン。
始めはジョルジュに反感を抱いていたキャサリンだが、やがてお互いに惹かれあうようになる。
スペインで再会する2人。
スペインでファシズムとの内戦が勃発すると、ジョルジュは戦地の真実をカメラにおさめるために留まることを決め、キャサリンも共に残る。
内戦が激しくなり、ジョルジュは撮りためたフィルムをキャサリンに託し、志願兵として前線に赴いていく。
和央ようか、花總まりの退団公演の再演。 当時の宙組は2人だけの世界が出来上がっていて、組子は見目麗しい背景って感じだったのが印象に強いです。 ジョルジュ、真風涼帆。 ちょっとタラシっぽいけど実は芯があって、戦場の様子を撮るってところまではいいけど、志願兵になるって言うのはどうだろう。 他国の内乱に首を突っ込むより(キャサリンにはそう言って止めてたのに)、ペンは剣より強しを貫くほうが納得なのだけど。 まあ、たかこほど浮いて見えなかったし、立ってるだけで格好いいからそれだけで十分です。 キャサリン、潤花。自立した大人の女性感がしっかり出ていて、真風との相性がとてもいいのが嬉しい。 ヴィセント、芹香斗亜。 ヴィセントって、マタドールのナンバーから恋人とのシーン、故郷への熱い想いに民兵として戦いの群舞もあって、これ以上ない王道の二枚目なんですよね。 ききは可もなく不可もなしって感じかな。 前回の新公、春風弥里が男っぽくて色気があってキレキレダンスが格好良くてすごく好きだったので、あれ以上のヴィセントは自分の中に存在しません。 アギラール、桜木みなと。 信念が強くてまじめ過ぎるがゆえに、どんどんおかしな方向に進んでいってしまう。 民兵は組織的に束ねないといけないというアギラールの考えは理解するけど、ソビエトはスペインを都合よく利用しようとしてるだけなのに。 権力を手にして独裁者っぽくなっていって、そのうち公私混同して、邪魔になって殺される。 単純に悪役と言えないキャラでした。 留依蒔世のラ・パッショナリア、歌が上手いだけじゃなくて存在感がすごい。 内乱に立ち上がる民衆の熱量がすごくて、コーラスの迫力に胸が熱くなりました。 オリンピック選手たちが路線イケメン揃いで、1人1人紹介していくのがいい。 瑠風のハイジャンプ、あの長い脚ならどれだけでも飛べそう。 単なるアンサンブルじゃなくて、ひとりひとりに人生があるんだって強く感じました。 内乱勃発って聞いた途端、ジョルジュが20世紀の歴史に立ち会うとか言うの、その場でそんな俯瞰的な発想にはならないはず。 ヴィセントが怒ってたけど、ジョルジュはちょっときれいごとなんですよね。 子供たちが志願するのを誰も止めようとしない、むしろ微笑ましく見てるのは「そうじゃない!」って言いたくなる。 どうしても現実のウクライナ戦争が脳裏に浮かんでしまうから、子供は巻き込まないでほしい。 戦わずに故郷に帰る人がいたり、黙って見過ごせないと立ち上がる民衆がいたり、そういうのはすごくよく分かりました。 プスクとポウムがいがみ合う場面、どっちも祖国を思ってるのに何でそこで戦うの?本当の敵はファシストなのに。 いろいろ胸が痛くなるシーンが多かったです。 コーラスの宙組って言われるのが納得と言うか、コーラスでこんなに感動したのは久しぶりでした。 |