宙組
ベルサイユのばら


2014年7月16日
於・東京宝塚劇場



 オスカル編
 代々フランス王家を守る軍人の家系であるジャルジェ将軍は、後継ぎの男児を心待ちにしていた。 だが、5人の姉に続いて生まれた末子もまた女児だったため、その子を後継ぎの男子として育てることに決め、神と剣を意味するオスカルと名付けた。
 回を重ねるたびに演出の変わる「ベルばら」ですが、今回もまた違ってました。 オスカルが生まれるシーンを芝居でやってくれたのは良かった。 でもそのあと延々とジャルジェ将軍が幕前で説明するばかりで、汝鳥さんが上手だから見られたものの、退屈な演出。 少女時代のオスカルのシーンは取ってつけたみたいで、あれだったら今までみたいにオスカルとアンドレの出会いのシーンを入れてくれた方がよかった。 フェルゼンのフェの字も出てこないし、「ベルばら」は1ついいと思うと2つがっかりする。

 オスカル、凰稀かなめ。 とにかく綺麗です。ラインハルト様の時にも思ったけれど、少女漫画から抜け出てきたようというのは彼女のためにある言葉です。 とても自然体のオスカルで良かったです。 ペガサスに乗って宙を飛ぶ演出再び! ではあったけれど、ペガ子が進化していたのもあるけど、乗ってる人のあまりの美しさにあれはあれで有りだと思ってしまいました。

 アンドレ、緒月遠麻。 もっと存在感のあるアンドレを想像していたら、1幕は全く存在感がなかった。 2幕になって自分の感情を表すとさすがに引き込まれるのですが、もうちょっと押し出しの強いアンドレが良かった。 最後死んだら終わりでオスカルを迎えに来ることもないし、何だか物足りない感じでした。

 アラン、七海ひろき。 かい君は明るくて楽しそうなオーラが出ているので、アランの荒くれ者の雰囲気がない。 衛兵隊士の愛月ひかる、蒼羽りくの2人の方ががよっぽどヤロウ系で格好よかった。 宙組男子のアンサンブルは、それだけで舞台を見る価値があると思ってます。 アランは青バラとか言う新曲が追加されていて、恋する男心を歌う愛されキャラの素直でかわいい青年でした。 憎めなくていいんだけど、アランのイメージではない。

 ジェローデル、朝夏まなと。 ジェローデルはすっきりした美しさが必須条件だと思ってるから、ちょっと違った。

 ロザリー、実咲凛音。 心の人オスカルを歌うロザリー。姉のように慕ってるっていうセリフが以前あったけど、ロザリーのオスカルに対する気持ちはLOVEであってると思うので、これはいいと思う。 けど出番がすごく少ない気がする。 お姉さま方のシーンはいいから、もうちょっとロザリーの場面増やしてあげようよ。

 ベルナール、蓮水ゆうや。 男気のある格好いいベルナールでした。 これでさよならなのが残念です。

 ロベスピエール、澄輝さやと。 ロベスピエールなのに麗しいってすごいです。

 オスカルが死んだあとアンドレが馬車に乗って迎えに来るシーンがなくなって、白いバラの前で踊るナンバーに変わってました。 センターでバレエを踊ってた生徒さんがものすごく上手で見ごたえあったのだけど、肝心のオスカル様が踊りはいまいちで、見劣りしてしまった。 かなめちゃんはビジュアルの美しさ全面押しで、ベタに馬車の方がよかったと思う。
 フィナーレナンバーも中途半端に男装の麗人で、アップヘアに花つけて燕尾着てた時はどうしようかと思った。 それだったらドレス着てた方がナチュラルだと思う。
 ショーで退団者向けの演出がなかったのも残念。ちーちゃんもれーれももっと華々しく見送ってあげたかった。 パレードでなぜかたらちゃんだけが1人降り!?よく分からないです。