近未来の日本。核戦争によって地上の水は汚染され、安全な水源は幻の都シャングリラの王が独占していた。
砂漠に記憶を失った男が倒れていた。踊り子のミウ(美雨)が助け、ソラ(空)と名付ける。 ソラが助けてくれた礼に差し出したペンダントは、かつてミウが想い人ラン(嵐)に渡したものだった。 ランは、安全な水源を求めて革命軍に身を投じたきり行方知れずになっていたが、そのペンダントには「シャングリラにて待つ。嵐」と刻んであった。 ソラは自分の素姓を知るために、ミウたちはランの行方を捜すために、シャングリラを探して旅立つ。 ソラの記憶が戻り、シャングリラの秘密が明らかになる。 そして、最後の戦いが始まる。 ソラ(空)、大空祐飛。過去を失った、謎を秘めた男。 黒革のハードな衣装も、その上に着物を羽織った一風変わった着こなしも、どちらも似合っていて、立ち回りもあって、文句なしに格好いいです。 ミウ(美雨)、野々すみ花。中森明菜の「desire」のような衣装(古くてすみません)でした。 想いを告げられないまま離れ離れになってしまったランを想い続けながら、最後はソラに心を移してしまう。 ソラの抱えている悲しみの大きさを考えると、惹かれてしまう女心は分かるけれど、それにしてもこんないい男2人に愛されて、何ともうらやましい限りです。 ラン(嵐)、蘭寿とむ。愛する人と故郷のために単身危険に飛び込む行動力と、ミウに対する愛情の深さ。 どんな拷問にも耐える精神力。 ファンモード全開で、最高に素敵です。 ズルズルした衣装が多い中、蘭とむ君ひとりダークシルバーのスーツで、都会的な洗練された雰囲気がたまらない。 革命家とかの設定が「カサブランカ」のラズロと似ているのだけれど、もっと熱くて感情的なぶん魅力的で、こういう蘭とむが見たかったの〜。 ダンスナンバーも、スタイリッシュな音楽とシャープな振り付けで全体としても素敵なのだけれど、やっぱり蘭とむから目が離せませんでした。 シャングリラの支配者アイス(氷)、悠未ひろ。もう敵役以外の配役が想像つかない悠未くんですが、今回も様になっていました。 あの長身に長い黒髪、全身を覆う長衣が迫力満点。 自分自身が王になるのではなく、ソラとカイの兄弟を飾り物の王に据えて、自分は影の実力者として君臨するあたり半端じゃない感じです。 でも、ソラが最後までアイスに感謝していたように、実のところそんなに悪い人ではなくて、ラストいいとこどりして死んでいくのは感動もの。 個人的には、実はいい人な悪役と言うのはあまり好みではなくて、とことん悪なのが好きなのだけれど、悠未くんの完全な悪役は割とよく見るので、意外さにやられました。 ソラの弟カイ(海)、北翔海莉。シャングリラにとどめ置かれている人質のような存在で、あまり存在感のない役だった。 ヒョウ(雹)の蓮水ゆうや。立ち回りもあるし、長身に黒い衣装が目を惹きました。 ランの父親フォン(風)、十輝いりす。蘭とむのお父さんにしてはちょっと若かったけれど、あのメチャクチャなファッションセンスに天然キャラは、なかなかナイス。 ランの着物をソラに貸していたけれど、もしかしてランも一座にいたころはお父さんみたいなファッションだったの・・・!? 科学者フォグ(霧)、純矢ちとせ。普通っぽくて、とてもそんな天才科学者には見えないし、ランが好きになるほどの女性にも見えない。 「Mind Traveller」の華城季帆みたいな感じだとイメージだったのだけど。 終わってみれば単純なストーリーなのだけれど、世界観が独特で、キャラの濃い出演者ばかりで、見ごたえありました。 音楽とダンスが格好いいので、それだけでも大満足です。 |