宙組
シャーロック・ホームズ
Delicieux!


2021年9月17日
於・東京宝塚劇場



ロンドンの人々は、ジャック・ザ・ナイフによる連続殺人におびえていた。 政府と警察は、数々の難事件を解決してきた名探偵シャーロック・ホームズに事件解決の依頼をする。 そんなとき、ホームズはアイリーン・アドラーと再会する。 表向きはオペラ歌手だが、実はかつてホームズが直前まで追い詰めながら逃げられた女詐欺師だった。 そんなアイリーンの楽屋に現れたのは、ホームズが要注意人物として目をつけているモリアーティ。 ホームズとモリアーティの対決がはじまる。

新公を見てから2週間、やっと本公演を見に行けました。 新公でも十分面白いと思ったけど、やっぱり本公演はレベルが違う。 原作は5冊くらい読んで挫折したのだけど、今回の作品がきっちり原作を踏襲してるっていうのは分かりました。

シャーロック・ホームズ、真風涼帆。 ちょっと高めの声で人を食ったような言い回しが、まさにホームズ。 スタイリッシュなスーツや外套がよく似合って、何もしなくても格好いい。
221Bでのわちゃわちゃしたところが本当におかしくて、桜木は笑いをこらえるのを放棄したらしく、素で笑ってた。 あれは笑うよね。 日によっていろんなことをやってるみたいだけど、この日はハンマーが2本になるマジックを披露したり、誰も見てないところで葉巻を1本にしたり2本にしたり。

ワトスン、桜木みなと。 アナスタシアの時と似た役回りだけど、こういうのが似合ってる。 ホームズに振り回されてる感じとかバディ感がよく出てて、この辺がさすが本公演。
メアリーとのバカップルっぷりは痛いくらいだけど、天彩メアリーのところどころで見せる包容力がいい。

芹香斗亜、モリアーティ。 キキの高めの声質やしゃべり方があまり好きじゃないのだけど、人を食った感じのモリアーティにはすごくあってた。 完璧にいってしまってる感じの強烈な悪役でした。
悪人仲間の紫藤、瑠風、鷹翔の3人が並ぶと、かなり見栄えします。

アイリーンの潤花。 スヴィッツラハウスの時に比べて艶っぽさも主演娘役としての存在感も段違いに増してて、いい感じでした。 単に強い女性ってだけじゃなくて、弱さも不安もいろいろ垣間見れたし、甘々なラストも宝塚だからまあいいかって思えました。 真風にはやっぱり大人っぽい相手役が似合う。

レストレードの和希そら。新公だとほとんど印象に残ってない役だけど、さすがそら君。 押しの強い声と態度が偉そうで、存在感ありました。
みんな役にあってて安心して見てられるし、宙組らしく格好いいし、楽しめました。

ショー「デリシュー」
お菓子をテーマにしたいろんな場面が続く。

幕開けで、潤花のミニのバルーンスカートが一瞬で白いロングスカートに変わるところ、何が起こったのか分からなかった。 なんて思ってたら、真風もパティシエから白い衣装に変わってる。

しょっぱなから大階段だし、カンカンは迫力ある。 トレー持ったまま片手で側転するとか、すごい離れ業。 人数制限なくなったんですね、大人数で見ごたえあるナンバーでした。

アントワネットのお茶会は、真面目にふざけてるから面白い。 キキのだるまは誰得なのか微妙でしたが。

アダルトな場面はずんのショートパンツやるいの歌、ベニスに死すっぽい少年たちの危ない色香もさることながら、真風の攻めた胸元にドキドキしてました。 あれはまずい。 噂によると当初から演出が変更になったとか。 宝塚でもバーレスク風のナンバーはたまにあるけど、かなりアダルトでした。

ロケットは3段ケーキ。 一番上の段の人は怖いだろうけど、見てる分には華やかでした。

最近よくある超絶ダンサーのナンバーがあるわけじゃないけど、華やかで楽しいショーでした。