宙組
シャーロック・ホームズ 新人公演


2021年9月2日
於・東京宝塚劇場



ロンドンの人々は、ジャック・ザ・ナイフによる連続殺人におびえていた。 政府と警察は、数々の難事件を解決してきた名探偵シャーロック・ホームズに事件解決の依頼をする。 そんなとき、ホームズはアイリーン・アドラーと再会する。 表向きはオペラ歌手だが、実はかつてホームズが直前まで追い詰めながら逃げられた女詐欺師だった。 彼女の楽屋に現れたのは、ホームズが要注意人物として目をつけているモリアーティ。 ホームズとモリアーティの対決がはじまる。

本公演の観劇予定がまだ先なので比較することはできないのだけど、なかなかクオリティ高かったです。

主演の亜音有星。 挨拶の声はまだまだ女の子なのに、背が高くて見栄えがする。 変装したり、外套つきの衣装を着こなしたり、最後は仕込み杖での殺陣まであるのに、立派に真ん中をこなしてました。 真風はもっとオトナの余裕ばりばりのホームズだろうけど、亜音くんは若くてフレッシュなホームズ。 先が楽しみです。

ワトスンの優希しおんは、優しくて人がよさそう。 安定感のある芝居もいいです。 ワトスンってもっと自由人のホームズに振り回される人というイメージを持ってたけど、やりたいように勝手にさせてるだけと言うか、割と対等に見えました。 最後の挨拶で、亜音くんを見守る目が母のようだったのが印象的です。 新公主演はかなわなかったけど、今後も活躍してくれると思います。

モリアーティ教授の鷹翔千空。 わざとらしいくらいの悪役で、それでもビジュアル的に負けてない。 モリアーティのインパクトが弱いと全体にぼんやりしてしまうから、良かったです。 まだちょっと固い気もするけど、見栄えもいいし劇団推しもいいので、どんどん行ってほしいです。

アイリーン、山吹ひばり。 ほんわかしたヒロインキャラではなさそうだけど、硬質な雰囲気がアイリーンには似合ってました。

アンサンブル芝居が多くて、下級生はいくつも役をこなして大変だろうけど、さすが宙組まとまりがあって見ごたえありました。 ホームズとモリアーティの銀橋でのゲーム・イズ・アフットの歌とか、最後の決闘シーンとか、格好良かったです。 背の高い男役さん同士だと、対決シーンがすごくさまになる。 歌メインでほとんどダンスナンバーがないのが、とくに優希しおん君的にはもったいないのだけど、みんな歌が上手かったので文句はないです。 ラストが宝塚っぽくて、よくできたストーリー展開に引き込まれました。 新公だとか忘れて、普通に芝居を楽しめました。