宙組
トラファルガー
ファンキー・サンシャイン


2010年8月4日
於・東京宝塚劇場



 大航海時代のイギリス海軍で英雄と称えられたネルソン。英国大使ハミルトン夫人エマとの背徳の恋と、宿敵ナポレオンとの戦いを交えて描く。

 ホレイショ・ネルソン、大空祐飛。軍服姿は格好いいし、不倫の恋に悩むのも様になる。 まじめであまり面白みのない男だけれど、義息子との和解のシーンは人間味があってよかったです。

 エマ、野々すみ花。金で買われて結婚して、その後も牢獄のような結婚生活なんて、絶対耐えられない。ネルソンの子供に彼の名前を付けたのは、せめてもの復讐?

 ハミルトン卿、北翔海莉。横恋慕して金でかたをつけたというのでもなく、単に美術品のコレクションのような感覚でエマを買い取った非道な男。 エマとネルソン夫妻を食事の席に同席させて、いたたまれない思いをしている2人を見て何が面白いのやら。 愛情のかけらもない本当に嫌な奴!

 ナポレオン、蘭寿とむ。ネルソンの宿敵と言っても、これといった絡みがあるわけでもなくて、何だか出てきてうんちくたれるだけのつまらない役。 もともと個人的に、ナポレオンは好きになれない歴史上の人物ナンバーワンなので、感情移入できないし好きになれないし。 (ちなみに、好きになれないワースト3は、ルイ14世と徳川慶喜。なんでそのうち2人までを蘭とむが演じるの!?)

 おいしかったのが、ネルソンの副官トマスの悠未ひろ。 いつもは悪役の悠未くんが、武骨で憎めないいい味出してました。ネルソンの死をみとるシーンは、まるでベルばらのよう。

 もう1人おいしかったのが、ナポレオンの弟、春風弥里。 何ってことはないのだけれど、無駄にキザなのが楽しかった。

 登場人物がやたら多くて印象が散漫になってしまう上に、ネルソンVSナポレオンの絡みもないし、盛り上がれないまま終わってしまいました。 ストーリーとは関係ないけれど、トマス(トマスの愛称はトム)とトムととむ(蘭寿)がいるっていうのは、見ていてややこしい!

 ショー「ファンキー・サンシャイン」
   プロローグはぱっと明るくて盛り上がります。レトロなコメディシーンも、祐飛くんと蘭とむくんがやると嫌味なく楽しい。 一押しはやっぱりプラズマダンサー。久々にこれでもかというくらい踊ってくれて、格好良かったです。黒燕尾もグッド。蘭とむコンサートがますます楽しみになりました。