宙組
バレンシアの熱い花
宙FANTASISTA!


2007年11月3日
於・グリーンホール相模大野



 各演目、観に行くのは最高3回までと自主規制していたのですが、ついに破ってしまいました。役替わりしてるから、同じキャスティングではないということで・・・いいわけです。でも、行ってよかった。本公演より皆はまっていて、最高でした。

 役替わりの人たち。
 ロドリーゴの七帆ひかる。ドンファンも格好よくて好きだったのだけれど、ロドリーゴも格好いい。すらりと背が高いから立ってるだけで様になるし、端正なルックスが普通にしていても貴族っぽい。らんとむや北翔くんのロドリーゴはプライド高そうだったけど、えりこちゃんのロドリーゴは自然体。結構ムキになるところが若者っぽくて、クールに見えて案外熱いところがいい感じ。ラモンに決闘を申し込むところも、プライドを傷つけられたとかじゃなくて、普通に頭にきたのね。ちょっと七帆落ちしてます。

 ホルヘ、寿つかさ。もともとバルカなんてもったいないと思っていたけれど、ホルヘはよかった。鈴鹿さんは大ベテランとは言っても、格好いいキャラではなかったし、本当の小者に見えたけど、すっしーのホルヘは野心もあるし、能力もある悪役。ルカノールの腹心で、まさか裏切るはずもないように見えるので、寝返ったときは本当に驚き。存在感があって、格好いい。

 ドンファンの春風弥里。えりこちゃんのなんとも言えないキザなドンファンが好きだったから、ちょっと物足りない気もしたけれど、脇役としてはOKかな。ホルヘとのシーンも、ギャグではなくて、ナチュラルでよかった。

 マルガリータ、天咲千華。幼すぎるルックスも合わないと思ったけれど、それ以上に無理にかわい子ちゃんを作っているようで、不自然に感じた。明らかに力不足だったけれど、研2では仕方ないかな。

 ローラのすみれ乃麗。アリスのローラは可愛げなくて全然妹に見えなかったので、麗ちゃんのローラは自然で妹っぽかった。ローラが妹に見えると、殺されたときのラモンの怒りも当然に思える。

 あとは、本役通りの人たち。
 ルカノール公爵、悠未ひろ。最高です。これ以上の色気のある悪役は思いつかない。「私の美しい奥方はどこかな?」とか怒らせるような台詞を、わざと相手の耳元でこれみよがしに言う辺り、嫌味たっぷり。七帆ロドリーゴが青いから、底意地悪くいじりたくなるのも分かるし、それを聞いてますます怒るロドリーゴの若造っぷりが可愛いし。ガウン姿も不敵な笑みも、徹底した悪役ぶりが格好いい。

 シルヴィア、美羽あさひ。七帆ロドリーゴが若いので、あさひちゃんが随分お姉さんに見えてしまった。しっとりと落ち着いた女性なのはいいけれど、えりこちゃんの役作りに合わせて、もう少し若くしたほうが恋人同士に見えたと思う。

 ラモン、蘭寿とむ。これ以上ないくらい、熱さ爆発でした。
 いつもイサベラを見ている。本公演ではここまで常に見てなかったんじゃないかというくらい、どこにいても何していても、真剣な目つきでイサベラを追ってる。目がハートではなくて、目つき悪くてはすに構えてるのが、格好いい。イサベラとフェルナンドが仲いいのを見て、放心して仲間に目の前で手を振られて、我に帰ってたり。
 そのくせ、イサベラの前では冗談ぽく笑ってるから、イサベラはラモンがそんなに真剣だとは気づいてない感じ。ラモンの胸に飛び込んでいったときに、はじめてラモンの気持ちが分かった?はじけたようにラモンから逃げて、本公演で見ていたように、申し訳なさそうにするりと身を引くより、よっぽどキツイ。その後のラモンが号泣しながら「愛してる♪」と歌うのが、たかが失恋ごときで(といっては、ラモンに失礼だけど)、そんなに泣く程つらいか!?とつっこみたくなるけど、それを見ながら私もうるうるしてたりして。
 面倒くさそうなことがあるとおちゃらけてごまかそうとするから、軽いお調子者っぽく見えるけど、素にもどったラモンは結構眼光鋭くて、そのギャップにどきっとします。エルパティオとカルナバルのシーンは文句なく決まってるし、男らしくて格好よくて、好きだなあ。

 FANTASISTA。
 配役は変わっていたけれど、全体の構成は同じ。火はえりこ&うめ、水はらんとむ、金もらんとむ、土はすっしー、らんとむを中心にワクワクどきどき見ていました。ヴィーナスの女装はすごい迫力だけど、実は悠未くんが以外に美脚。土星はよく見ると結構いいショーなのに、衣装で損してる気がする。
 宇宙をめぐる王子、バッグの中から宙組のパンフレットを出して、「今日は文化の日。文化と言えば、宝塚」と言っていました。「相模大野〜!」と掛け声かけてたけど、相模大野出身のお客はあまりいないでしょうね。
 個人的には、宇宙ナンバーワンのホストが見られて、大満足です。