トート 花組
エリザベート


2003年2月7日
於・東京宝塚劇場
ルキーニ


BGM*最後のダンス

 2回目のエリザベート。楽が近いこともあって、パワーアップしていました。特にトート、歌もリキ入ってたし、ますます格好いい。
 トートのまつげが、以前は青かったのに、今回は黒くなっていました。まつげが青いと、とてもミステリアスな雰囲気だったのが、今回は割とナチュラル。 そのかわり、爪がきれいな碧色で、しかも長い!手の動きが目立って、つい目がいってしまう。

 皇帝の浮気に落ちこむシシィにナイフを見せるときのトート。前回はナイフ出すのに手間取っていたけれど、今回はすんなり出ました。 ナイフ、ブーツにはさんでるんですね。前見たときそんな気がしたので、今回気をつけていたら、ブーツの中に赤い色が見えたので。 今までのトートたちは、どこにしまっていたんだろう。

 ルドルフの棺に立つトート。前回はトートの顔ばっかり見ていて気付かなかったのですが、言われて気付いたこと。 両手を広げたトートの影が、シシィにかぶさるんですね。シシィはその影を見て、「貴方ね、息子を奪った〜」と歌っていた。まさに死神って感じです。
 そのルドルフの命を奪うときの、トートのキス。さらに濃厚だった。でも、恋愛感情なのではなくて、死の接吻と言う感じがした。ルドルフとトートのシーンは、何回見ても好き。

 今回新しく追加された歌、「私が踊るとき」。私には、どうもここだけ不自然に見えてならなかった。 「ひとりで飛べる」とシシィが歌うのだけれど、ひとりで飛べる人が、その後フランツの浮気写真を見せられてショックを受けるかな。 前回は、耳慣れないから変に感じるのかと思ったけれど、やっぱり今回も馴染まず。オサもみどりちゃんも歌上手いから、聞いていて不快ではないのですが。

 2幕はじめのルキーニのアドリブ。会場全員が、さあ何を言う?という無言のプレッシャーをかけるので、 出てきた一瞬、あさこちゃんが引いていたように見えたけれど、それだけ期待しているってこと。 今回は、何事も妥協が必要だ、と言いながらシャッターを切っていた。
 某新聞評で、あさこちゃんのルキーニが、暗殺者としては明るすぎて違和感がある、ということを書いていたけれど、私はそうは思わない。 ルキーニって暗殺者だけれど、別に暗い人じゃないよね?狂言回しだから軽いノリのほうがいいし、ちょっといっちゃてる、妙な明るさがいいと思う。

 あと、はっちさんのゾフィーが、あいかわらず恐いは恐いのだけれど、息子フランツのことは愛してるというのがよく分かった。 出前をとろう云々と話している時のゾフィ、大事な息子に変なことはさせたくはない、でもシシィは陥れたいというのが現われていた。

 あっという間に終演で、もっと長く見ていたかった。オサのトートに、すっかり心奪われてしまいました。