ロシアの青年貴族ネフリュードフ公爵は、休暇で訪れた叔父の屋敷で、使用人のカチューシャとつかの間の恋に落ちる。
月日は流れ、貴族の令嬢との婚約が決まったネフリュードフは、殺人事件の陪審員として裁判所に呼び出された。
そこで被告人として現れたのは、すっかり落ちぶれたカチューシャだった。
カチューシャが自分の子を死産し、売春婦に身を持ち崩した揚句、殺人事件にかかわっていることを知ったネフリュードフは、大きなショックを受ける。
彼女を救うため、ネフリュードフは婚約を破棄し、屋敷や財産をなげうって尽力する。
ネフリュードフ公爵、蘭寿とむ。 誠実な青年なのだろうけど、あそこまで行くとただの馬鹿。 カチューシャと大恋愛したというならまだしも、つかの間の恋の償いにまわり中巻き込んで、重いにもほどがある。 原作はもっと恋の火遊びだったらしいのですが、その方が納得いきます。 あんなに誠実そうな青年が本気で恋愛して、その後カチューシャの様子を全く気にしなかったのも変だし、身分違いの恋ゆえに諦めたような感じもないし。 ネフリュードフは、カチューシャに対する憐れみと償いに始まって、最後は自分の善行に酔ってる自己満足にすぎない。 叔母さまやお姉さんが台詞として言っていましたが、本当にその通りで、まったく感情移入できませんでした。 カチューシャ、蘭乃はな。 初めの素朴な少女時代と、その後の落ちぶれたあばずれ女ぶりが別人のよう。 蘭はなちゃんはあまり個性的なタイプではないから、どんな役も違和感なくはまるのだけれど、逆に同じ女性のなれの果てというよりは、全くの別人に感じてしまいました。 もうちょっと一貫性があったらよかったのに。 カチューシャにとって、ネフリュードフは正直ありがた迷惑でしょうね。 うっとうしいくらい押しつけてくるけれど、そこまでされたら嫌うこともできないって、重い〜。 別の男を選ぶのは正解です。 シモンソン、愛音羽麗。 ただの通行人くらいに思っていたら、最後カチューシャにプロポーズするとは。 どこでカチューシャに対して愛情を抱いたのか全く分からなくて、かなり唐突でしたが、なんかみわっちの包容力で納得してしまいました。 蘭とむとの並びは、特別何か語りあうのでなくても深い信頼で結ばれている感じがして、好きです。 シェンボック、壮一帆。 妙にひとりテンションが高くて、浮いた存在。 壮くんって、いつもこういうチャラい役ばかりのように感じます。 もうちょっとネフリュードフに寄り添って、心の支えとか親友感が出てもいいと思うのだけれど、あまり感じませんでした。 ポスターにも「カチューシャへの想い、それは愛か償いか」と書かれていますが、本当にテーマは償い。 登場人物が多い割に、誰にも感情移入できなくて、盛り上がれませんでした。 |