花組
GOETHE
2025年11月17日
於・国際フォーラムC



はじめてのドイツミュージカル。 ずっと音楽が流れてた印象。 ポエティックで美しい旋律で、1幕目はちょっとまったり感があったけど、2幕目からはどんどんストーリーに引き込まれていきました。

厳格な父親のもと、法律家を目指すように言いつけられていたゲーテ。 ゲーテ本人は作家を目指したかったが、出版社に断られたこともあり、法律事務所で働き始めた。 パーティで出会ったロッテと恋におちるが、彼女には親の決めた許嫁がいた。 傷心のゲーテはフィアンセと決闘騒ぎを起こし、投獄される。 叶わなかった恋を綴った「若きウェルテルの悩み」がロッテの手で出版社に持ち込まれ、ゲーテは一躍有名作家になった。

ゲーテ、永久輝せあ。 繊細な演技もビジュアルも役にぴったり。 クライマックスの場面では、床に落ちた涙が見えるほどの熱演でした。 ロッテとのラブシーンの静止画がとても美しくて、舞台いっぱいに広がるベールの演出は特に素敵だった。 親友は死を選んだけれど、苦しくても生きていく結末がいい。

ロッテ、星空美咲。 少女らしさがありつつ子供っぽすぎないし、芝居もうまいし、高音まで地声をはって歌うのもすごい。 アルベルトの求婚を受け入れても、ゲーテは永遠の恋人。 みさきちゃんがヒロインで良かった。 腹見せの衣装は何の意図があったのだろう?

ヴィルヘルム、聖乃あすか。 ゲーテは若者の恋だけど、ヴィルヘルムは人妻との道ならぬ恋。 同じ繊細な青年だけど、この対比がいい。 そして現実を受け入れられなくて自死を選ぶ。 たかが若いときの恋愛1つで!と思ってしまうけど、彼にとってはそれがすべてだった。 こちらも役に合ってた。

アルベルト、侑輝大弥。 ゲーテの事務所の上司?先輩?いい役でした。 主人公の恋敵なんて悪役かと思いきや、思いやりがあって包容力のある男性。 ロッテをめぐってゲーテと2人で歌う歌は、マタハリの二人の男かと思ってしまった。 大人の男としては多少経験の浅さは感じてしまうけど、研10でイケオジできるのは風間柚乃くらいでしょ。 フィナーレのダンスナンバーでも永久輝、聖乃と並んで3人で踊ってたし、大弥くん推しなので嬉しかった。 劇団もっと評価してほしい。

マルガレーテ、美空真瑠。 ヴィルヘルムの恋人。 男役さんでしたか! 色気と落ち着いたたたずまいが素敵でした。 ロッテとマルガレーテが別れの歌を歌うところ、ヨワヨワの男たちに対して、女の芯の強さを感じて良かった。

メフィストフェレス、夏希真斗。 メイクも衣装もインパクト大、ダンスも雰囲気も妖艶で素晴らしかった。 こういうの大好きです。

見終わったときにいい作品だったなとじわじわ感じる演目でした。 そのうちこれも外部でやるんじゃないかな。