花組
花より男子
2019年7月1日
於・赤坂ACTシアター



 人気少女漫画の舞台化。原作は最初の方だけ読みました。

 中流階級の牧野つくしは、親のたっての希望で、超金持ちが集まる英徳学園に通っていた。 「F4(花の4人組)」と呼ばれる4人の男子生徒が支配するこの学園では、リーダーの道明寺司に逆らう者は誰もいなかった。
 ある日、つくしは道明寺の逆鱗に触れ、赤札を張られてしまう。 赤札を張られた者は、全校生徒から徹底的にいじめられる。 だが、つくしは持ち前の雑草魂で立ち向かい、道明寺はそんな彼女に徐々に惹かれていく。

 柚香光ちゃんは、そのまんま道明寺だった。 花男って言うタイトルが花組向けだし、おバカで俺様でスタイリッシュな道明寺は、本当にかれーちゃんにぴったり。 衣装だけじゃなくて靴もすごく派手だし、くるくるの髪までがなぜか格好いい。 ダンスもキレキレ。 これはかれーちゃんしか考えられないでしょう。

 つくしの美怜ちゃんも、元気いっぱいで生き生きしてて、似合ってた。 ピンヒールで飛び蹴りするわ、側転だか前転だかをこなすわ、身体を張ったアクションに会場から思わず拍手が出るレベル。 ヒロインに好感持てないと、この手の話は終わりだから、良かったです。

 小劇場公演だからある程度仕方ないけど、他にもうちょっといなかったのかと思うキャストがちらほら。
 花沢類の聖乃あすか。綺麗は綺麗なんだけど、芝居に勢いがないって言うか、なんかピンと来ない。 クールなキャラだからって、演技そのものに覇気がない必要はないと思うんだけど。

 藤堂静、華雅りりか。この人は割といい女の役やることが多い気がするけど、どっちかって言うと野暮ったくてパッとしないイメージがある。 最初からそんなもんだろうと思ってたから、今さらガッカリ感はないのだけど、もうちょっと違う人いなかったのかなあ。
 類と静がいまいちだから、この2人のラブロマンスとかどうでもいい感じになってしまって、残念。

 美作あきら、優波慧。タラシな雰囲気で、グイグイ来た。 このくらい押し出し強いメンバーで4人揃ったら、見ごたえあったんだけどな。

 西門総二郎、希波らいと。等身はすばらしいのだけど、大役抜擢が気の毒なレベル。 声も体つきも女の子で、まだアンサンブルやってる学年なのに、いきなりだもんね。

 三条桜子の音くり寿が、単なるカワイ子ちゃんで終わらず、すごかった。

 かれーちゃんの道明寺はすごく似合ってたし、漫画から抜け出たみたいでいいのだけど、根本問題としてこの話が好きになれない。 すごく人気の作品だって言うけど、ひたすら陰湿なイジメなんだもの。 ケンカとか個人的な不仲くらいならまだしも、学校全員巻き込んで1人をいじめ倒すって設定がどうにも気分悪くて。 そんな超いじめっ子とのラブロマンスとか、何だかね。
 セレブな学園ものなら、「メイちゃんの執事」の方が良かったな。 あと、いつか「有閑倶楽部」やらないかな?