狗奴国の兵に両親を殺された少年タケヒコは、拾ってくれた男を師匠と仰ぎ、山の中で生きる術や剣の技を磨きながら成長する。
成人したタケヒコは、狗奴の兵に追われる巫女マナと出会い、助ける。
神の声を聞くことができるというマナは、邪馬台国の女王になるための旅の途中だった。
師匠を失い、狗奴国と戦うために邪馬台国の兵となったタケヒコ。
女王卑弥呼となったマナと再会し、想いが再燃する。
正直つまらない芝居でした。盛り上がりに欠けるって言うか、張った伏線が全く意味をなしてないって言うか。 タケヒコ(明日海りお)と巫女マナ(仙名彩世)が生まれる前から運命で結ばれてたって言うわりに、そのエピソードは何もない。 運命の出会いって言うからには、何かエピソードあったっていいでしょ。 「太王四神記」だとタムドクたちは神話時代の生まれ変わりだったけど、そういう設定がないならしつこく運命とか言わなくていい。 熱愛シーンがないのに、いきなりタケヒコが卑弥呼の寝所に忍び込むってのも唐突すぎる。 明日海がもっと熱い演技をする人だったら、もしかしたらもうちょっと盛り上がったのかもしれないけど。 どうしようもなく惹かれあうっていう風にも見えないから、本当に軽率な行動を取ったとしか思えない。 しかも、罰として熱湯に手を入れるって、刑としてあまりに軽すぎる。 「太王四神記」の時はタムドクが剣で貫かれる刑だったけど、重罪に対する罰は失敗したら死ぬくらいじゃないと。 せめて煮えたぎった湯に全身浸かるとか、頭から浴びせるとか・・・ TVのかくし芸レベルに奇跡だなんだって言われてもねえ。 あれで許されるのも納得いかないでしょ。 卑弥呼にしても、ただの巫女が女王に取り立てられる取っ掛かりが何も描かれてない。 最後に日食の預言入れるくらいなら、最初に持ってこようよ。 彩世ちゃんが有無を言わせぬ女王オーラのある人ならともかく、ベテラン娘役の雰囲気があるから何だか地味で。 トゥーランドットの銀橋渡りくらい派手な見せ場があったっていいのでは? 先代の巫女はマナに巫女を譲るときに命を捨てたのに、卑弥呼はただのマナに戻るとか言ってるのもオイオイ。 処刑されるくらいなら駆け落ちしようとか言って、タケヒコも国を捨てようとしてるし。 どっちも責任感無さすぎ。 あれ、神託が下りてこなかったら間違いなく逃げてたよね? 他の兵は命投げ打って戦ってるのに。 柚香光、水美舞斗、城妃美怜の兵士仲間。 それぞれ想い人がいる設定なのに、特に触れられることもなくジエンド。 かれーちゃんなんて歌まであるのに、まったく放置って・・・ マイティに至っては、口がきけない設定って誰も得しないでしょ。 「ZORRO」のキムちゃんなんかはトラウマを克服するっていう意味があったけど、今回何の意味もない。 無駄すぎる伏線がまったく回収されることなく終わるって、こんなに後味悪いことはない。 奴王の瀬戸かずや、狗奴王クミヒコの星条海斗。 どっちも大人の色気と格好良さがダダ漏れだった。 地位を確立させたり領土を広げたりって王として当たり前のことなのに、それ自体を悪いことのように描く脚本がイヤ。 徹底的な悪役としてもっと非道な設定にしてくれたら、それはそれでもっと格好良かっただろうに。 男役の群舞は格好良かったんだけどね・・・ ショー、SANTE。 幕開けいきなり男役5人の女装・・・いえ、素敵な女性でした。 特に好きだったのが、あきらとマイティのアラビアンなデュエット。 マイティのキレキレのダンスに、あきらの包容力が負けてない。 和海しょうくんののびやかな歌声もあいまって、すごくいいシーンでした。 美穂圭子さんのピアフ。 愛の賛歌は割とよく使われる歌だから何気なく聞いてたら、マギーが去った後に事故の効果音。 ああそうだよね、恋人飛行機事故で亡くなったんだよねと思い出してからの、圭子さんの力強い歌声に大人の女を感じました。 最後の黒燕尾に赤いバラの男役群舞も、花組男子って感じで格好良かった。 ショーを楽しめたから、まあいいか。 |