花組
琥珀色の雨にぬれて
カクテル


2003年10月30日
於・市川市文化会館



 琥珀は、大劇場公演と大きな違いはなかったけれど、キャストが変わった分、少し雰囲気が変わったかも。

 春野寿美礼、クロード。前回よりももっと純粋さがアップしていた。タンゴを語るところも、ひとり陶酔入っていて、青年クロード、恋していますという感じ。フランソワーズに対しても、とてもやさしく話すようになっていた。個人的には、クロードはもうちょっと大人の男の印象があるのだけれど、おさちゃんは純粋な青年でイメージ固めてきたのか。

 ふづき美世のシャロンは、大鳥れいのシャロンほど肩肘張って生きている感じはしなかった。五郎八姫の時は、どこから声を出しているの?と思ったけれど、今回はナチュラルだった。でもね、2回も台詞かんだのには、ゲンナリ。2度目は、クロードとフランソワーズの3人が駅ではちあわせしたクライマックス。大人の女の役なんだから、なおさら許されなくて、一気に気分が冷めてしまった。

 ルイの蘭寿とむ。今までのルイの中で、一番ジゴロっぽかった。男っぽくて、色気があって。笑顔がかわいくて、ダンスが好きだとは思っていたけれど、こんなに男らしくセクシーなルイを見せられては、クラクラ。そうそう。クロードとルイが、トランブルーでシャロンを追う話をしているときのルイの台詞。「ホテル代も?」お金ないから、列車代だけじゃなくてホテル代も出してよという意味なのはよ〜く分かります。でもどうしても、ホテルに行こうってルイがクロードを誘っているように聞こえてしまって・・・。蘭とむの色気に、ちょっと頭の中おかしくなってしまいました。

 フランソワーズは、前回と同じく遠野あすか。前回より、やわらかい雰囲気になっていた。クロードのことを愛しているんだな〜という感じがした。

 カクテルは、ずいぶんイメージチェンジしていた。
 暗い中にカクテルグラスが光って、カクテ〜ル!の掛け声とともにプロローグ。リフトで、大車輪のように娘役さんを回していたさおたさん。リフトというか、アクロバット。すごすぎる〜。
 コットン・クラブ。赤い燕尾のおさちゃんの、椅子を使ってのダンス。髪をオールバックになでつけて、大人のムード。そのあと黒燕尾の男役さんたちと娘役さんたちがでてきて、セクシー&アダルトムードいっぱい。2番プリエの振りって好きなんです。これがきまると、もうメロメロ。このシーン、もう1度見たかった。
 エルクンバンチェロは、蘭とむくん。おさちゃんも迫力あると思ったけれど、蘭とむくんはそれ以上だった。今回すっかりやられてしまった〜。歌もうまいし、あの腰つきがなんともセクシーで・・・。おさ&蘭とむ(&みわっち)が、おらおらぁ〜と掛け声掛け合っているところ、あまりの男らしさにノックダウン。
 グラッドアイ。どうせなら、トート閣下のかつらにしてくれればいいのに。ただ、個人的な好みとしては、やっぱりおさちゃんは襲われるキャラのほうがあっていると思う。あさこちゃんが色っぽかったので、このシーンは東京バージョンの圧勝。

 サザンメドレーの間に、おさちゃんがマスターのところでお酒を受け取るシーン。野風でイシちゃんに鍛えられただけあって、すっかりアドリブ上手に。地方色豊かなアドリブで、大笑いでした。
春「マスターのおすすめは?」
夏「マザー牧場の牛乳です」
・・・改めて「九十九里です」と地酒のボトルをカウンターに。
春「減っているよ」
夏「私が飲みました」
一気にあけるおさちゃん。
夏「おつまみは、落花生。千葉名産です」

 すみれ色のカクテルは、ふーちゃんが歌っていた。おさちゃんが自分で歌うのは、聞いているほうが気恥ずかしいので、よかったよかった。
 今回、芝居もショーも、蘭とむくんに完全に心を奪われていました。おさちゃんの額のこぶ、遠目でも分かるくらいで、本人はつらいだろうな。あれだけ腫れるのだから、相当強く打ったはず・・・。