ミケランジェロ 花組
ミケランジェロ
VIVA!


2001年10月13日
於・東京宝塚劇場
コンテッシーナ


BGM*VIVA!

 愛華みれのさよなら公演。
 自分は芸術と結婚したと言って、自分の世界に没頭するミケランジェロと、他家に嫁した後もミケランジェロを想い続けるコンテッシーナ。 愛華みれは、前作のルードヴィヒ2世でも、自分の世界に浸って現実から目をそむけるルードヴィヒを演じているので、またこの設定かという感じだった。

 愛華みれは、ビジュアル的には本当に美しいと思うけれど、ミケランジェロに関してはもっとふけた感じのほうがふさわしいと思う。 コンテッシーナには、ミケランジェロは燃え尽きることのない情熱を持っていると言われていたが、タモちゃんは淡々としたイメージがあるので、あまりぴんとこなかった。 結局この人は何がしたかったのかも、不明。

 コンテッシーナの大鳥れい。こちらも何がしたいのか不明。 自分の想い人のために、断食してどうしようというのだろう?相手に負担かけるだけで、(というか、それすら気にかけてももらえてなさそう)ただの自己満足。

 ミケランジェロのライバルのラファエロやダ・ヴィンチは、登場はするのだがあまり深く描かれていなかった。 もう少し、こういうライバルたちとの確執なんかを描いてくれていれば、ストーリーにメリハリがあっただろうに。 ラファエロの春野寿美礼は、女のように美しいラファエロのイメージにはぴったりとはいえ、ちょっと前の女子大生かOLのようなヘアスタイルで、本当に女の子に見えてしまった。 (特にポスター)

 売れない画家ジュリアーノは、いろいろな逆行の中でも陽気に生きることをポリシーにしている。 匠ひびきはどうしてもまじめな感じがぬぐいきれず、もっとはじけるような陽気さがほしかった。 盗賊メンドリーニのシーンは、樹里咲穂が現われると舞台がぱっと明るくなって、唯一暗い舞台を救っていた。

 私の嫌いな説明の長台詞も多いし、ストーリーも役者もぱっとしなくて、「ミケランジェロ」は私的には大はずしだった。 「VIVA!」は楽しかった。

 一押しが樹里ちゃん。どこにいても目立つキレのあるダンスとすばらしい歌声で、目を離せなかった。 ビリヤードのキュー持って歌う樹里ちゃん、迫力ありすぎ。五線譜(だよね?)のダンスに至っては、チャーリーとたまおさんの存在を忘れていました。

 おさちゃんも、樹里ちゃんに引けをとらないくらいの華やかさ。魔王のシーン、おさちゃんもだけれど、あさこ&かなみちゃんもいい感じ。 銀橋ラテンナンバーのあさこちゃん、あまりの決まりっぷりっぷりにクラクラきました。

 ひとつだけ言うとすれば、おさは華もあるし歌も上手なのだが、エトワールは娘役にやらせてあげてほしい。 最近男役がエトワールをするのをよく見るが、せめてこれくらいは娘役の特権にしておいても、と男役ファンの私ですら思ってしまう。