ジークフリート

花組
野風の笛

レヴュー誕生

2003年9月6日
於・東京宝塚劇場

黒鳥


BGM*白鳥の湖
 久々の1階席だったので、舞台が近くて嬉しかった。1週間恋焦がれたおさちゃん。出待ちは2時間待っても出てこなくて、結局あきらめましたが、舞台の上のおさちゃんはやっぱり素敵だった。

 あいかわらず仲睦まじい忠輝と主水。今日のアドリブはこんなかんじでした。
 三九郎が殿を呼びに来たシーン。忠輝と主水がお互いに押し付けあった後、最後に主水が父上に御機嫌うるわしゅう・・・というところで、後ろから殿が主水の両手をつかんで、耳の上に持ち上げたまま離さない。おさちゃん、手を下ろそうにも下ろせなくて、うさぎの耳になったまま、御機嫌よう。父君も「何だそれは?」と言ってたけど、妙にかわいかった。
 あと、主水なんちゃって切腹のシーン。まずおさちゃんが横とびにイシちゃんにアタック。イシちゃんはおさちゃんの足を踏みつける。(若いころの銀橋芝居でも、イシちゃんがおさちゃんの足を踏んでいた。)おさちゃん、前回よりかなり怒り口調で台詞を言っていました。切腹の真似をした後は、イシちゃんがおさちゃんの隙をうかがいながら、周りを回るのだけれど、バックを見せてはやられると学習したおさちゃんは、殿が一周するのに合わせて向き直るもんだから、結局イシちゃんは何もできず。あきらめていろは姫に言葉をかける殿。でも、殿もバックをとられては・・・と思うらしくて、台詞の間に2回くらい主水を振り返っていた。ちらりとではなくて、半身返して。2度も足を踏まれたおさちゃんは、この後踏み返していました。こんなに仲睦まじくされては、いろは姫、完全に立場なし。
 主水の心に秘めた想い、今日も相変わらず誰に対する想いか分からなかった。というか、前回よりさらに殿への想いに見えた。忠輝がいろはを頼む、と主水に言っているのを断る主水、本当に迷惑そうに見えるのですが。私には殿が一番、それ以外の者は管轄外です、という感じで。

 主水が自刃するところは、分かっていても鳥肌が立ちました。見せ場だ〜。前回2階席では分からなかったのだけれど、主水が亡くなると、流れ星がおちるんですね。そして、それを見て忠輝は、主水の死を悟る。やっぱり1階席っていいですね。

 ショーは、今回はなるべく麻子ちゃん中心に見ました。パリの下町のシーン以外、全部出てるのでは?メークを変え、雰囲気もがらりと変えて、瀬奈じゅんオン・ステージ!
 愛の賛歌は、前回銀橋の2人ばかり見ていたけれど、本舞台のダンスも本当に格好いい。最後全員でコートを翻して去っていくところなんて、最高。今日のクレアトールは、「テーマは・・・」ためてためて、さらにためてから「愛!」ため過ぎ。それにしても、歌って踊ってすごいなあ。
 黒鳥のシーン。改めて見ても、やっぱり美しい。苦悩するおさちゃんの表情。不敵な笑みのあさこちゃん。VIVA!とかカクテルとか、今までおさあさで誘惑系のダンスはあったのに、これが一番妖しくて素敵。今回の席からは、最後2人が本当にキスしているように見えた。後ろで妖術かけているちはるさん、2人を引き裂く妖術なんじゃなかろうか。どう見ても、ふーちゃんより麻子ちゃんと踊っているときのほうが、おさちゃん気持ちがこもってた。
 アヤブキくんと蘭とむくんが言い争っているところに、喧嘩はやめろと仲裁に入るあさこちゃん。照明さんらしいけれど、どうしてもクレアトールに思えてしまう。で、照明さんなのに、ショーダンサーとして踊ってるし。大活躍。黒い鷲では、あの靴がおさちゃんも履いたという靴か、と思って見ていました。
 こうして、今回も男役さんを見るのに忙しくて、娘役さんを見る暇のないまま終演なのでした。