花組
DANCE OLYMPIA
2020年1月19日
於・国際フォーラム



 1幕は、古代ギリシャの英雄アキレウスが現代ニューヨークにタイムスリップしてきて、ストリートダンサーのメンバーと交友を深めるストーリー仕立て。

 アキレウスの柚香光。 ギリシャ神話の彫刻みたいってセリフを言わせたいだけの設定じゃないかと思うけど、実際彫刻みたいに美しいので文句ないです。 クールな美形キャラかと思いきや、案外女好きだったり、あまり頭良くなさそうな感じなのが笑えた。 セリフはほぼ心の声で、ほとんどしゃべらない。 もちろん歌わない。 けど、そんなのどうでもいいくらい踊ってた。
 古代の戦士が現代のダンスを踊れるわけないとか、どこの誰とも分からない人を仲間に引き込むのはどうなのとか、現実的なことは全部忘れて、とにかく楽しかった。 もう幕?ってくらいあっと言う間で、大満足でした。

 パットの水美舞斗。 古代ではアキレウスの親友で、戦死する役。 現代ではダンサー。 かれー君とのコンビ感が絶妙です。
 むしろ主役はマイティじゃなかろうか。 いつも目を引く人だけど、今回はいつにも増してすごかった。 ひたすら踊るし、存在感もすごいし、歌よりダンス重視の私には大満足の舞台でした。

 ヒロインの華ちゃん交えて3人で踊るところも良かった。

 気がついたらひとこちゃんもいて、もうどこ見たらいいのやら? 優波もうまいから、場面つなぎが中だるみしないのがいい。
 聖乃あすかが、ダンスも芝居もぼんやりしてて、唯一残念だった。 確かに顔立ちはキレイだし、劇団推しは強いけど、どうにも琴線に響かない。

 2幕は世界のダンス。 和太鼓から始まって、サロメ、アフリカン、ラテン、フラメンコ、花組メドレーと盛りだくさん。 

 幕開け板付きの和太鼓。 圧巻の迫力でした。

 ひとこちゃんのサロメ。 男役だと線の細い爽やか系イメージがあるけど、肉食っぷりがすごかった。 生腹じゃなかったのは残念だけど。 修道僧のあすかがふにゃふにゃしてて、サロメが狙いたくなる何かを感じない。

 アフリカン。 かれー君が斧持って立ってるのがちょっと微妙でした。 女役ダンサーたちのダンスも迫力あるけど、それ以上に赤い女神がド迫力。 マイティの女装・・・。 肩出し二の腕出しで、筋肉に目が釘付けでした。

 定番のラテン。 お決まりでもラテンは盛り上がります。

 そして、やっぱり一番はフラメンコのタップですね。 かれー君のソロから始まって、最後は群舞。 もうすごいとしか言いようがなかった。
 歌が少ないとかトップの歌がどうのとか感想言う人、見なくていい。 って言うか、これだけ踊って何が不服!?

 花組メドレーは、ジャンクション24にエイサー。 これぞ古き良き花組(って言ってもほとんど生で見たことはないのだけど)。 下級生もすごく頑張ってて、これからダンスの花組が堪能できるのかと思うとすごく楽しみです。

 途中客席降りで2階席の置いてけぼり感が残念だったけど(同じS席なのに!)、全体として本当に見に行けて良かったです。