ショースターとしては、右に出るものはいないんじゃなかと思う瀬奈じゅんのコンサート。ファンが見たいと思う麻子ちゃんがひと通り見られて、とても満足なコンサートでした。濃厚なショーを見たという感じ。のどを痛めてる感じだったのが、ちょっと痛々しかった。途中ほとんどトークなく、ひたすら歌って踊って、すごい。 雷鳴とどろく中、ミラーボールのように、Sの文字が客席の壁を回る。これだけで期待が高まります。東京公演千秋楽ということもあってか、かなりの人がペンライトを振っていました。1階最後列だったので、ペンライトの明かりまでが演出のよう。正直、同じ列の人が振っているライトはまぶしすぎて、目が痛いくらいでしたが。 プロローグはシャンパンカラーのスーツで登場。細いな〜。会場、いきなりノリノリの手拍子で、楽なんだけど初見の私は、ちょっとテンションについていけなくて驚き。次はバラードだったので、落ち着いたのですが。階段のところで踊るダンス、全員シャンパンカラーで、とても素敵でした。 次はスタジャン姿。途中でスタジャンは脱いで、白Tシャツ&ジーンズのディーン風に。麻子ちゃんって、本当に少年のようです。 変わって、黒タキ、白マフラーで階段の上に登場。琥珀のルイの格好ですね。これぞ男役、瀬奈じゅん!という感じで、格好いい。マフラーのかけ方はあれでいいのか、ちょっと襟の中に入れすぎなんじゃないかとも思いましたが、格好いいから許そう。帽子を持っての、男役のダンス。究極の男役が堪能できました。 ここではける麻子ちゃん。舞台袖の様子をカメラが中継。上着を脱ぎ、ちょっとのどを潤し、うちわであおぎ。このままお着替えまで中継か!?と思わせておいて、楽屋入り口でカメラ立ち入り禁止になりました。「すみれコードにひっかかるので」と。残念。(おいおい) 客席から再登場の麻子ちゃん。濃紫のちょっと軍服風なお衣装。パールのネックレスが、金モールのように肩口にまであしらわれていました。ディスコ・メドレーは、かなりの懐メロでした。YMCAとかロコモーションとか。狙った年代層、高め?たしかにすごく若い客層ではなかったような。 一緒に踊りましょう!のコーナーがありました。Stand up, please の掛け声で客席立ち上がり、ぐーちょきぱーの振り。振りっていうか、お遊戯。観客はダンスなんて全く出来ない人もいるから仕方ないけど、もうちょっとダンスっぽいのにしてくれたらよかったのにな。 「大鳥れいさん、これくらいの振りは覚えましょうね〜」という麻子ちゃんの言葉で、みどりちゃんが来ていることが分かりました。北翔海莉くんも来ていたらしい。 続いてはコスチュームものシリーズ。 和太鼓の音、ラストサムライのような甲冑の映像が流れます。和装ではなく、和っぽいコスチュームに剣を持って、階段上から麻子ちゃん登場。肩に着物をひっかけていました。和太鼓を打つような振りがあったり、ちょっと異色。最後、剣を口にくわえてポーズ。 同じ衣装で、かけていた着物だけ脱いで、スパルタカス風男役たちと踊ります。BGMがあいかわらず和太鼓なのに、どうしてもスパルタカスに見えてしまう。あれは、一体国籍はどこだったんだろう。きっと和のイメージなんだろうけど。 カルメンのような、後ろトレーンの白ドレスの娘役2人が登場。激情の時はさすが花總まり、きれいにドレスをさばいていたけれど、このドレスは下級生の娘役には難しかったらしい。衣装に着られていて、トレーンが汚くてもったいなかった。麻子ちゃんは赤のマタドール姿で登場。うしろが燕尾になっている衣装でした。やっぱりスパニッシュは格好いい。 大体こんな感じで、1幕完。もう終わり?という感じでした。 2幕目。ヴェネチアの映像が流れます。輪っかのドレスの女たち登場。男役さんのドレス姿なので、背が高くて見栄えがします。仮面に隠した♪ではないけれど、マスカレードのシーンです。フェンシングしてたけれど、決闘相手が女というのは、ちょっと好みじゃない。やっぱり決闘は、男同士じゃないと。 ギリシャ神話風、ブルーのマント姿の麻子ちゃんが、上手階段上に登場。娘役とのデュエットは美しかった。男役たちが持つ、ブルーの薄布の中で踊る2人。最後横たわるところを、上からのカメラがとらえて、スクリーンに映し出されていました。こんな柔らかいシーンの麻子ちゃんって、あまり記憶にないかも。せっかく綺麗なシーンなのに、陰ソロの歌い方がすごく演歌調で、雰囲気に合わなかったのが残念。 ラスヴェガスの映像。白熊コートで登場の麻子ちゃん。娘役たちにかこまれて、葉巻をふかしたり、階段に座ってリズム取ったり。マフィアのイメージかな、と思っていたら、スピークイージー。ダークスーツが格好いい。ナマのマック・ザ・ナイフを聞いたのははじめてなので、ちょっと感動。本役真矢みきは見たけれど、あまりに昔のことなので、マック・ザ・ナイフといえば麻子ちゃんのナンバーのイメージが。 明るい南国の映像。ラテンメドレーです。ラテンって、文句なしに大好き。と思っていたら、急に客席皆立ち始める。なに?と思ったら、聞き覚えのあるイントロが。そうリッキー・マーティン・メドレー!lonely night♪って始まると、もう体中の血が騒いで、ぷちっと頭の中で糸が切れた音が。ひざにおいていたものを床に落としたことにも気づかず、立ち上がって、踊る!最後列通路脇という、他人に迷惑をかける心配のない最高の席だったので、遠慮なく踊りまくりました。リズムをとるとか、のるとか、そういうレベルではなくて、きっと踊り狂ってた。気持ちよかった〜。 男役同士の妖しい系デュエットが続きました。下級生は全く知らないのだけれど、龍真咲だと教えられました。妖しい系デュエットは大好きなのですが、今回物足りない。麻子ちゃんが眉根を寄せて、相手を誘惑する姿は最高なのですが、相手が違う。絶対まさちゃんでなきゃ。その後、手をつないで仲良く歌を歌ってました。だから相手はまさちゃんでなきゃ。 紅ばらの花1輪の映像が映し出され、全身黒の麻子ちゃんが登場。暗黒の世界のイメージのちょっとストーリー仕立てのダンス。絡んでいた女役にいきなり腕を切られる。次々出てきた男役たちには殴られる、蹴られる。こういう自虐的なシーン、麻子ちゃん結構好き?まあ、そんな麻子ちゃんも素敵なんですけど。 全身黒い衣装なのに、靴だけ赤いのが不思議だったのですが、途中リフトされて、上げた片足に赤いライトが当たって、とても効果的に使われていました。ラスト床に倒れた麻子ちゃん、赤いばらの花びらが落ちてくるところを、上からのカメラが映していました。格好いい〜と思ったのですが、せりがないんですね。またむくっと起き上がるのが、ちょっと可笑しかった。 フィナーレで、どんなにつらくても、明日は来るみたいな歌詞の歌を歌っていました。力づけられますね。ラストは赤スカジャン。それが大ラスの衣装!?出待ちした友人が、そのままの格好で出てきたと言っていたので、本当に私服なんですね。 アンコールは3回、かな?座席においてあった、くもの糸のようなのを投げたり、クリスマスオーナメントみたいなしゃんしゃんのようなのを振ったりとか。楽なので、大盛り上がりでした。麻子ちゃんも、最後のアンコールで「客席にダイブしようかな。でもそれやったら、宝塚じゃなくなるし」って。 |