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花組
2009年2月20日 |
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神話の時代。神の子ファヌンは、武力で地上を統治する火の巫女カジンから朱雀の神器を取り上げ、平和なチュシンの国をつくる。憤ったカジンが、ファヌンの妻セオから子供を奪い、殺したため、セオは怒りに我を忘れ黒朱雀へと変化する。国を守るため、ファヌンは自らの手で妻を葬り、いつの日かチュシンの国が再建されることを願って、4つの神器を封印する。 2000年の時が流れ、チュシンの星が輝く夜、高句麗の王に皇子タムドクが生まれる。同じ日、王妹夫妻にも男児ヨン・ホゲが生まれた。どちらが王座につくことになっても、変わらぬ友情を誓い合っていたタムドクとホゲ。だが、四神器を手に入れ、王座を奪おうとする大長老プルキルやホゲの両親のたくらみにより、タムドクとホゲは敵対するようになる。 ファヌンの生まれ変わりのタムドクは、カジンの生まれ変わりであり、朱雀の神器の守り主である巫女キハと恋に落ちる。そして、セオの生まれ変わりの娘スジニも、タムドクに想いを寄せる。 前世の因縁。キハをめぐるタムドクとホゲの三角関係。王座を狙うプルキルとヨン家。四神器の行方探し。 盛りだくさんのファンタジーで、特にはじめの神話時代のエピソードがバタバタと進んでいくので、ストーリーについていけないかも?と思ったけれど、案外きれいにまとまっていて楽しめました。中休憩に、人物相関図のパネルを見て頭を整理しておいたので、後半納得の展開です。 韓国版里見八犬伝と言った印象。壮大で華やかなストーリーは、宝塚によく合ってます。 ファヌン&タムドクの真飛聖。 目の前で子供が殺されようとしているのに、国のためにあきらめろと妻に言うファヌンは、余りに酷い。可哀想なセオ。 タムドクは爽やかで、知性派のイメージ。端正な2枚目のまとぶんは、正統派ヒーローがよく似合っている。 ホゲの大空祐飛。 若い頃のタムドクとホゲは、本当に仲がよさそうでほほえましかった。「お前が王なら俺は将軍♪」の歌の通り、武術に人一倍たけているホゲが将軍になって、国王タムドクと仲良くしてくれたら、どんなによかったか。とは言っても、暗い目をしたホゲが何とも格好いいのですが。 子供の頃から王座につくにふさわしいと言われて育ったのに、王座も好きな女性もタムドクに奪われて、野心半分嫉妬半分なのが、いい感じ。完璧な悪役というのではなくて、周りに操られている感じなのも、絶妙のバランスです。 カジン&キハの桜乃彩音。 幼い頃からプルキルの手下として育てられ、孤独で苦労の多いキハなのに、彩音ちゃんは影を秘めたいい女タイプではないので、普通のお嬢さんに見える。もう少し雰囲気があるといいのだけれど。 セオ&スジニの愛音羽麗。 男の子のように飾り気のないスジニだけど、タムドクを想う気持ちは女の子そのもの。全然気づかないタムドクの鈍さは腹立たしいほど。反面、タムドクとキハの気持ちを知って、さっと身をひくスジニの潔さがいじらしい。黒朱雀になんてならないで、幸せになってほしいなぁ。 大長老プルキル、壮一帆。 老人マスクのまま最後まで通すのかと思ったけれど、さすがにそれはなかったですね。諸悪の根源なのだから、もっともっと嫌らしく、悪どくやって欲しい。濃〜い上級生や専科さんがやるのにふさわしい役です。 ヒョンミョンの望海風斗と、パソンの桜一花は、出てくると舞台がぱっと明るくなる。アンサンブルのシーンが楽しいので、見応えがあります。 戦闘シーンの群舞もまとまっていて、格好よかった。各部族とか、四神器のテーマカラーがあるので、入り乱れての群舞がきれい。祐飛くんを取り囲む、盾の群舞が特に格好よかった。 ショーは短かったけれど、どのナンバーもよかったです。 |