ギスターブ

花組
飛翔無限
天使の季節
アプローズ・タカラヅカ!

2004年4月9日
於・東京宝塚劇場

アッサーラ


MIDI*アプローズ・タカラヅカ
 
 売れない芸術家ギスターブと、プリンセス・マルゲリタは恋人同士。そのマルゲリタに婚約話が持ち上がったため、仲間たちは破談にしようとして、ドタバタ劇を巻き起こす。
 期待はしていなかったけれど、想像以上に最悪の芝居。コメディは嫌いじゃないけれど、これはコメディにすらなっていない、ただのドタバタ。

 ギスターブと国王ペスカトーレは、春野寿美礼の2役。言われないと分からないくらいの変装っぷり。いっぱいいっぱいの早替わりも、楽しそうにこなしていた。コメディの2役は、笑いがとれるので面白い。
 マルゲリタとも、ほんわかした恋人同士で好感が持てた。この2人はあんまり悪ふざけをしていなくて、ホッ。

 ギスターブの仲間、アベルタン(彩吹真央)とジョルジュ(蘭寿とむ)は、ノリが良くてさすが関西人。ただ、普通に会話しているだけで充分にテンポよくて面白いのだから、変なしゃべり方をしたり、悪ふざけの粋までやらないでほしかった。侍従のトリオもそうだったけれど、行き過ぎは全然面白くない。

 アッサーラ王子、瀬奈じゅん。ギスターブたちに振り回されて気の毒なのだけど、もともとのキャラクターがちょっといっちゃってる感じだったから、ボロボロになってもあまり面白さを感じなかった。最初もう少しまともなキャラだったら、最後女装までする面白さがあったかもしれないけど。
 それよりなにより、客席での追いかけっこはやめてほしい。2階席やや後ろよりだったので、何をやっているのか全く見えず。前方の人ですら見えなかったらしくて、最後立ち上がる人までいた。幕間に、「前かがみになったり、立ち上がったりしないでください」とアナウンスが入っていたけれど、その前にそんな演出するな!

 どの人もいきなり悪ふざけモードで、ゲンナリ。コメディの面白さって、当人たちは極めて普通っぽくやっているつもりなのにどこかずれてるとか、少なくとも演じ手たちの内輪受けにならないことが鉄則でしょ。こんなドタバタを見せられて、しかも大好きな生徒さんがそれをやっているかと思うと、つまらないのを通り越して、憤りさえ感じてしまった。理事長、本当にもう引退して!

 ショー。押しの強いシーンが多くて、ちょっと盛り込みすぎの感じ。でも、好きなシーンがいくつかあって、芝居のうんざりを解消。

 まずSAVAGE-K。あさこちゃんのせり上がり〜銀橋渡りのあまりの格好よさにクラクラ。本舞台に入ってからは、衣装もダンスもばらばらで、あまり好みではなかったけれど、おさ&あさが見られてよかった。パンフには決闘と書いてあるのだけれど、2人とも満面の笑みで、決闘というかいちゃついているというか。
 裏街のストーリーダンスが最高。スーツの男役さんたちのダンスが、これぞ花組〜。ヤンさんのさよならがよみがえります。そして、おさちゃんとふーちゃんのカップルがほほえましくて、よかった。アメイジング・グレイスのアカペラもすごい。衣装はどうかと思うけれど。
 パッション・ノワールのおさ&あさダンスが、ファンにはたまりません。かつて、トップ娘役が大階段に取り残されたまま、トップ&セカンドがデュエットするなんてあったでしょうか。ふ〜たり〜のため〜せ〜かいはあるの〜♪しばらく引き離されてしまうから、愛しさもひとしおなんでしょう。仲睦まじいおさ&あさが堪能できました。

 (後日談)これが麻子ちゃん最後の花組公演になるなんて・・・。異動するならするって分かってれば、もう1回見に行った・・・?ショーだけならもう1回見てもいいけど。