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花組
2007年5月11日 |
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令嬢、早苗を誘拐するという脅迫状が送られてきた岩瀬家の当主は、名探偵として知られている明智小五郎を雇う。明智は、早苗の友人で、銀座のクラブのマダムをしている緑川を呼びに来る。だが、彼女こそ誘拐犯、黒蜥蜴だった。明智と緑川は、早苗誘拐をめぐって駆け引きするうちに、段々相手が気になる存在になっていく。 黒蜥蜴・・・戯曲は見たことないけれど、熟年男女の駆け引きというイメージのある作品。宝塚バージョンに書き直すくらいなら、全く別の作品にしてもらいたかったです。 明智小五郎、春野寿美礼。最近クセが強くなって、ちょっと鼻についてきているのだけれど、どこか嫌味な明智のキャラにはあっていたと思う。 緑川夫人、桜乃彩音。これは無理のある配役でした。宝塚バージョンでは、若い娘という設定に変えたらしいけれど、クラブで男性をはべらせたり、自分の楽園を作ったりするには、やっぱりある程度の大人の女でないと。彩音ちゃんには、クラブのマダムらしいオーラは感じられないし、明智とやりあうだけの余裕も見えない。ドレス、和装、とっかえひっかえ衣装を変えても、ドキッとするほどのインパクトないし。前半は、見ていてつらかったです。 逆にラスト、明智を愛したり、兄妹だと知って自分で命を絶つあたりは、自然に感情移入して見られました。黒蜥蜴の元ネタなしにオリジナルストーリーにしてくれたら、こんなに違和感感じないで見られたのに・・・ 雨宮、真飛聖。ひげを剃ってしまうと、とても好青年。元ボクサーだったり、殺人を犯したり、緑川の手下として犯罪に手を染めるようには見えないイケメン。そんな好青年だから、早苗・・・というか葉子にプロポーズするのも、とても好感持てました。 早苗(の身代わり葉子)、野々すみ花。「スカウト」の時には垢抜けない子だと思ったけれど、深窓の令嬢役は悪くなかった。葉子が変装している早苗、緑川が変装している早苗、早苗の扮装だけど緑川、早苗の扮装だけど葉子・・・なんかいろいろ複雑なのを、好演していました。 浪越警部、壮一帆。実直そうで、いい人。プロポーズの歌がとてもやさしくて、奥さん愛してるんだな〜と思えました。プロポーズの歌は、壮くん、まとぶんが歌うのが好きでした。おさちゃんは、やっぱり自己愛入っていて、ちょっと・・・ね。 早苗パパ、夏美よう。娘が大事で大事で仕方ない。はっちさん、いいキャラです。 サスペンスドラマという感じなので、広い舞台は必要なかったかな。登場人物もほとんどその他大勢だし、オペラで1箇所をずっと見ているような構成だったので、バウとかもっと小さい劇場の方があってそうでした。 ショーは、プロローグのカラフルなラインの入った黒タキが小洒落ていました。「on the 5th」のベージュの衣装、まとぶんはよく似合っていたけれど、彩音ちゃんは可哀想なくらい似合ってなかった。ニンフ風の衣装は似合っていたけれど。花組は現代風でスタイリッシュなイメージなので、彩音ちゃんだけがクラッシックムードで、ちょっと異質なのが気になります。今回、まとぶんがすごく格好よくて、ショーでも登場すると、つい目が行ってしまいました。 |