花組
うたかたの恋
ENCHANTEMENT 華麗なる香水
2023年3月4日
於・東京宝塚劇場



「うたかたの恋」

オーストリア皇太子ルドルフと愛人マリー・ヴェッツェラの悲恋。 過去何度も再演されてきたものをなぜ今更大劇場で?と思いながら見に行きました。

幕開けミラーボールが回る中主題歌が流れ、緞帳が上がると深紅の大階段に板つくルドルフとマリー。 なんだかんだ言って、このプロローグは素敵です。 暗転して銃声が2発響いたら、華やかな舞踏会が始まる。 王道のうたかたの恋です。

ルドルフ、柚香光。 白い軍服がよく似合うし、ガラス細工のように繊細で、それが折れそうなほど細いビジュアルと相まって、ルドルフをやらせたいと思う劇団の意向は分かります。 さみしげな笑顔もささやくような話し方も、よく似合ってる。
ジャンに対して「旧態依然としたハプスブルクがダメなのは同意するけれど、革命家に担ぎ上げられるのはごめんだ(意訳)」と言うところは、周りに流されるだけじゃない意思の強さを感じておお!と思いました。 それにツェップス(正しい役名はゼップスでした)。 ロン毛に眼鏡のビジュアルもエリザベートのツェップスそのままで、エリザベートのスピンアウトみたいな話になるかとちょっと期待したのだけど、結局酒におぼれてマリーといちゃつくだけで終わってしまった。

マリー・ヴェッツェラ、星風まどか。 この人はいつまで在任するつもりなのでしょうか? かわい子ぶってるあざとい娘にしか見えなくて、ヒロインが可愛いと思えないと、うたかたの恋は本当につまらなく感じます。

ジャン・サルヴァドル、水美舞斗。 身分に縛られず自由に生きる、ルドルフが憧れる明るさを持つ人、マイティにはぴったりの役です。 ただ、ストーリーテラーってどうしても物語から一歩引いた印象があるので、もっとがっつり組んで芝居してもらいたかったです。

フェルディナンド公、永久輝せあ。 ジャンと似たような取り巻きがもう1人。 後から気が付いたのだけど、第1次世界大戦の引き金になるサラエボで暗殺されたオーストリア皇太子がこの人なんですね? ニコイチみたいな扱いじゃなくて、もっとキャラを膨らませてほしかった。

ハムレットが主演の2役でなくなってました。 友人は昔ながらの2役がいいと言っていたけど、そうじゃなくても役の少ない作品だし、私個人としてはこれで良かったと思います。 天城れいん君のバレエは素晴らしかったし。

多少変わってるのは認めるけど、令和版うたかたの恋と言うほどの違いはなかったです。 もっと革命運動とかガンガン入れてもらいたかった。

「ENCNTEMENT」

花組の大劇場公演だけ2作品続けて中止で見られなかったので、全員そろってのショーを見るのは本当に久しぶりでした。 花組のショーは華やかでいい。
花男としてのマイティの見納め、れいまいコンビもこれで最後。 (専科出演はあるだろうと期待します)
ほのかの女装はもともと女顔で美人なこともあって似合ってました。 マイティはどうしても相手役が男役になりがち。
侑輝大弥くんが最近ちょっと目にとまる。 活躍を期待します。