フランス革命を題材にしたフレンチミュージカル。
庶民が食べるにも困っているとき、国王夫妻は宮廷で華麗な生活を送っていた。 国王の軍隊に父親を殺された青年ロナンは、パリに出てきて革命家たちと出会う。 生きるため、人としての尊厳を守るために市民が立ち上がり、革命が進んでいく。 アントワネット、愛希れいか。 最初のルーレットの場面、アントワネットの衣装がすごい。 ルーレットから出てきた時のパステルカラーの衣装も超ゴージャス。 庶民の暮らしなんか全く知らない興味もない、世間知らずの奔放な王妃さま。 フェルゼン伯との密会は人目を忍んでいるはずなのに、真っ赤なローブ。 満たされない気持ちをかかえ、恋する一人の女性になりきってる感。 貴族たちがみんな去っていくときの白い衣装。 華美なアクセサリーのないシンプルな衣装が、凛としたたたずまいを際立たせてとても美しい。 恋も遊興も封印して、王妃としての自覚に目覚めたアントワネットが、オランプに語るシーンは感動しました。 衣装がアントワネットの気持ちの移り変わりを表していて、ちゃぴちゃんの演技力と存在感に引き込まれました。 この作品の主人公はアントワネット、そう思って見ないと全然面白くない。 ロナン、龍真咲。 衣装が地味だとか、宝塚の主演らしくない役だとか、そういう言い訳なしに全く目立たない。 仮にもトップ就任して3年以上たっているのだから、そこにいるだけで場面をさらうくらいの存在感があってもいいだろうに。 衣装の着こなしも妙にきれいで格好つけた感があるし、虐げられて立ち上がる反骨精神も感じないし。 もっと泥臭くヤロウっぽい人にやってもらいたかった。 目立ってた人その1、アルトア伯の美弥るりか。 超悪役。楽しんでるでしょうというくらい徹底したワルっぷりが、見ていて心地いいほどでした。 弟キャラだった美弥ちゃんが、こんなワルを演じるようになるなんて・・・って、アルトア伯も一応弟でしたね。 目立ってた人その2、ペイロールの星条海斗。 官憲の将校。別に悪役ってわけでもないだろうけど、すごい悪役オーラ。 メイクが表情が悪魔的。 あんなのにムチ打たれたら死ぬでしょうってくらいの容赦なさ。 すごかったです。 お笑い担当の密偵の3人組。出てくる度に面白くて、笑いをさらってくれました。 ロナンの恋人オランプは役替わりで、海乃美月。 主役はアントワネットだけど、宝塚的にはヒロインの役。 意思のしっかりした、強いけど優しい女性。 がんばって好演してました。 ロナンがもうちょっといい男だったら良かったのに。 革命家たち。カミーユ・デムーランの凪七瑠海。ロベスピエールの珠城りょう。 これだけの大物革命家で、見せ場もあるのに全然役が立ってない。 大勢口の1人にしか見えなくて、ロナンを含めてアンサンブル。 群舞だと思って見ていればストレスなく迫力のあるナンバーなので、途中から見方を変えました。 フレンチロックのメロディが耳に心地よく、ダンスナンバーもバリエーション豊富。 アントワネットVS名もなき群衆のフランス革命のストーリーという印象でした。 |