大海人 月組
あかねさす紫の花
レ・ビジュー・ブリアン


2006年10月7日
於・府中の森芸術劇場
額田王


BGM* レ・ビジュー・ブリアン

 
 すっかり宝塚の定番になった、あかねさす。中大兄皇子と大海人皇子が額田女王をめぐって繰り広げる3角関係。今回は大海人皇子バージョンでした。

 大海人皇子、瀬奈じゅん。額田が大好きで、それ以外考えられないような青年。兄貴も敬愛しているから逆らうことは出来ないし、でも額田を手放すなんて考えられないし。麻子ちゃんって、癖のない白い役が似合うらしい。

 額田女王、彩乃かなみ。勝気でおませな少女時代も可愛いし、大人になってからの落ち着いた色香のある女性も素敵。大海人のことは愛しているけれど、中大兄の強引な魅力にも逆らえない、揺れ動く女心がとてもよく分かりました。かなみちゃん、芝居が上手い。歌が少なかったので、かなみちゃんの美声が聞けなくて残念。

 中大兄皇子、大空祐飛。目つきの悪さが、中大兄らしくて格好いい。私は個人的に、大海人より中大兄皇子が好きなので、祐飛くんの中大兄も好きです。イシちゃんのようにワンマンでもなく、おさちゃんのように恋する青年でもなく、ちょうど程よくその中間。どこかセクシーだし。ワンマンで他の人に弱みは見せないけれど、額田がいるから自分は強気で行動できるという台詞が納得できる。強くて自分にだけ弱みを見せる男性って、実は女は弱いんじゃないかな〜。

 中臣鎌足、嘉月絵里。上手いのだけれど、出番少な目?あまり存在感を感じなかった。鏡女王に告白(?)しないので、鏡が可哀想だった。

 天比古(龍真咲)は、メイン3人ががっぷり組んで芝居しているだけに、いつにも増していらない役だと思った。芝居が上手かったから余計話が途切れてしまって、この役をはずした脚本にしてほしい。

 十市皇女は、なぜあんなに子供っぽいのだろう?どう見ても5〜6歳。15歳にもなっていたら、今でも充分大人っぽいけれど、昔だったらお嫁にいってもおかしくない歳。最後の大海人、額田との3人のシーンは、両親の葛藤は充分分かっているけれど、あえて陽気に振舞って場を取り繕ってるくらいの方が、あのシーンはいいのにって思う。十市が本当に幼児なら、あれでもいいけれど。

 ショーは、本公演の時よりも好きでした。
 私が好きだった夢に誘う男は、きりやんからはるひ君にチェンジ。はるひ君は上背もあるし、ちょっとダークな色気もあって、きりやんより素敵だったかも。ピンクダイヤのシーンも、はるひ君でした。
 もう1つ好きだった宝石泥棒のシーン、イシちゃんの代わりが絵里ちゃん。「俺は怪盗セナンナン」「俺は組長よしえもん」には、会場笑。おひげがチャーミングでした。
 この後のブラックダイヤは、衣装がジージャンとかもっとシンプルだったらいいのに・・・麻子ちゃんらしいダンスが大好きなシーンです。
 イシちゃんのタンゴは、牢獄のシーンに総取替えでした。彼女(かなみ)のためにダイヤを盗んだのに、彼女は他の男(祐飛)のもとに去り、俺は牢獄から一生出られないといったストーリーダンス。麻子ちゃんたら、また祐飛くんに彼女盗られて・・・。麻子ちゃんも見たいし、でも祐飛くんとかなみちゃんのデュエットもいい感じだし、どっちも見たくて大変でした。