月組
All for One


2017年9月22日
於・東京宝塚劇場



 デュマの「三銃士」をもとにしたオリジナルストーリー。
 銃士隊のダルタニアンは、太陽王ルイ14世の剣の指南役に選ばれる。 剣よりバレエのレッスンに熱心な国王ルイは、実は生まれてすぐに捨てられた双子の男児のかわりに、男として育てられた女性だった。 恋に落ちたダルタニアンとルイ。 ダルタニアンと三銃士は、王政を掌握しようとする宰相マザランを排除し、本来の国王であるはずのルイの兄弟を探す。

 ダルタニアン、珠城りょう。 グランドホテルを見てないので、今回トップ就任して初めて見た。 研10で抜擢されるほどの実力派とは思わないし、特に何か際立っているものがあるとも思えないけれど、群集劇の1人としては特にXもなかった。 主役の押し出しがあるともうちょっと違った風に見えてくるのかもしれないけれど、取り合えず可もなく不可もなしと言った感じ。

 ルイ14世、愛希れいか。 少年王というか、リボンの騎士っぽい感じ。 男子として育てられても、オスカルと違ってどこまでも女の子なルイ。 演技力もたたずまいも安定のちゃぴなので、安心して楽しめました。

 アラミス、美弥るりか。 個人的にデュマの三銃士が大好きで、中でもアトスが好きなので、なぜアラミスがアトスより扱いがいいのか納得できないのだけれど、みやちゃんが楽しそうに演じてたからまあいいか。 次々ご婦人をたらしこんでました。

 アトスは宇月颯。 ひげのダンディな大人の男。 ぱっと目立つキャラじゃないけれど、渋くいい味出してました。 アラミスの方が扱いはいいけれど、いざって時にまとめ役だし、三銃士のリーダーって感じだったので良し! やっぱりアトスなしの三銃士はあり得ない。

 ポルトス、暁千星。 ビジュアルが若すぎて、他の3人とバランスが取れないのが残念。 力自慢のヤロウ系の雰囲気は出してたけど、さすがに年齢差ありすぎだな〜。

 マザランの甥ベルナルド、月城かなと。 もうね、カリオストロ伯爵。ジョゼッペにしか見えない。 クールな美貌で切れ者っぽそうなのに、どこか抜けてて翻弄されてるところが。 4人の部下を引き連れて踊ってたり、二刀流で戦ってるあたりは若干蒼紫様感もあるけど。 大真面目なだけに面白かった。

 マザランが悪役って感じでないのが良かった。 まあ一樹千尋さんの持ち味ってのもあるだろうけど、最後にアンヌ・ドートリッシュが「ありがとう」と言ったところはちょっと感動。 コメディなだけに、なるべく大団円がいいもの。

 モンパンシェ夫人のコマちゃんは、完璧にイロモノ扱いだった感じ。

 プロローグとか、銃士隊の群舞が格好良かった。 あと、民衆のアンサンブルも迫力あった。 代替わりしてまとまりがよくなったかも。