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月組 飛鳥夕映え タカラヅカ絢爛U 2004年9月3日 於・東京宝塚劇場 |
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BGM*カリビアンナイト
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大化の改新。蘇我入鹿は、政治家として若い頃から手腕を発揮していたが、これを快く思わない中臣鎌足は、周囲と結託して入鹿暗殺を企てる。 日本史で必ず勉強する事件ですね〜。そして、この事件に続いて、「あかねさす紫の花」が始まると言うわけです。 ストーリー紹介を読むと、登場人物が多くて(しかも漢字が難しくて)分かりにくいかと思ったけれど、実際はすっきり見られた。瑪瑙とのラブロマンスと、鎌足の陰謀の2本柱。 彩輝直のお披露目、蘇我入鹿。劇中では鞍作(くらつくり)と呼ばれていました。優秀な政治家としてのイメージよりも、華やかなビジュアルと、艶っぽさが印象に残っています。天皇とよろしくやっているときの着崩した服装が、なんとも。殺さなければならないほど危険な人とは思えなかった。 鞍作の妻、瑪瑙(めのう)、映美くらら。今回で退団なんてもったいない。いじらしくて、可愛くて、ちょっと気が強くて。鞍作の死を知ったとき、「間に合わなかった〜」と泣き崩れるのが、涙を誘う。 皇極帝の夏河ゆら。鞍作とのラブシーンは、正直怖かった。ドライに大人の情事を楽しむという感じでもなくて、かなり鞍作に入れ込んでいるようなのが、ゆらさんの個性に合わな過ぎる。別の人はいなかったんだろうか。 役替わり、中臣鎌足は瀬奈じゅん。鎌足といえば、「あかねさす」の香寿たつきがマイベスト。麻子ちゃんは、陰の役って得意じゃないと思うけれど、健闘はしていた。学問所時代から、鞍作を疎ましく思っている鎌足。鞍作を葬らない限り、自分は政治の表舞台に立てないと思っている。政治色がちょっと薄いので、政治的な思惑と言うより、若い頃、かばん持ちをさせられたとか、瑪瑙をとられたとかいう、逆恨みのようにも思える。 自分の手は汚さず、外堀を埋めていくだけの策略家。鎌足を中心に話がまわってました。心の声が録音が多くて、残念だったかも。独白ということで、普通にしゃべった方がいいのに。 軽皇子(かるのみこ)は、貴城けい。思ったほど大事な役ではない印象。 蘇我石川麻呂、大空祐飛。私的には、軽皇子よりこちらの方が美味しい。軽皇子の妻、小足媛(おたらしひめ)と愛し合ったり、鞍作襲撃の合図を出したり。感情も出しやすくて、祐飛くん、これが本役なのは美味しいと思う。 ゆらさんもだけれど、小足媛の美々杏里も、もうちょっと若い娘役さんのほうがよかった。道ならぬ恋に揺れ動く、はかなげな雰囲気を出すにはベテランすぎて、見ていてつらかった。 あと目に付いたのが、山背大兄皇子の楠恵華。学童の場面でも目立つ演技をしていたけれど、最期もなかなかよかった。 ショー、タカラヅカ絢爛U。星組とはところどころ違っていたけれど、全体的には同じ。 わたる君は健康的で、1夜限りのはかない命には見えなかったので、そういう意味ではさえちゃんのほうが妖精ぽい。えみくらがとにかく可愛くて、妖精に恋した女の子そのもの。檀ちゃんは、大人の女の存在感が強いから。あと、妖精の王は同じく組長のゆらさん。塩沢ときかと思った。すごすぎ〜。面白いんだけどね。 かしげちゃんは星組と同じ役。大縄跳びがなくなって、旗振りになっていた。たにちゃんの役を麻子ちゃん。「ちゃうちゃう」の場面がなくて、かわりに入っていた男役3人(さえ、かし、あさ)の椅子を使ったダンスが、格好よかった。 米俵リフトはあいかわらずあった。でも、檀ちゃんはすごく重そうで、わたる君にしがみついているだけに見えたけれど、えみくらは普通にリフトっぽく見えた。へびはなくなっていた。礼音くん以外に、あのダンスは無理だったのでしょう。 麻子ちゃんのアドリブっぽい台詞が楽しかった。パーティの前、銀橋で「僕と踊りに行きませんか?」と1列目の客を誘う麻子ちゃん。思わず出された手を握り返すお客さん。うらやましい〜!結局「やっぱり1人で踊ります」と、本舞台に去っていってしまうのだけれど。墓場のシーンでも、すごい格好つけてるかと思ったら、「はっくしょ〜ん」「自分が驚いた」なんて言って、笑いを取っていました。 最後に、超ファンビジョンで一言。麻子ちゃん、最高に格好いいぜ〜! この人ほどラテンの似合う男役さんはいないんじゃなかろうか。その悩ましげな目、セクシーな腰つき、悩殺されました。 |