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月組 |
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紫吹淳のお披露目公演。相手役の映美くららって誰?という感じだった上に、朝日新聞でありがちなストーリーと評されていたので、りかちゃんが見られればいいと、あまり期待せずに見にいきました。 主人公エミリオは、海賊エドガーに家族を皆殺しにされ、逃げ延びた後、自分も海賊になって復讐を誓う。やがて、総督になったエドガーと再会し、復讐は遂げるが、かわりに愛した女性を失う。
見事なまでに、お約束どおりのストーリー。それでも、皆とても魅力的だったので、結構楽しめました。 エレーヌを演じた映美くららは、可愛いと言えば可愛いけれど、極めて普通のお嬢さんだった。もう少し個性があったらよかったのに。 敵役エドガーの、湖月わたるが一押しで格好よかった。どこまでも悪人面で、エミリオの家族を皆殺しにするのも、妹エレーヌを政略結婚の道具に使うのも(これは、貴族にとってはあたりまえのことだけれど)、すべては自分の出世と、家の繁栄のため。存在感もあるし、すばらしい敵役。エミリオに刺されて死ぬシーンは、目を見開いたまま絶命していたのに感動しました。映像と違ってカットがないから、ず〜っとまばたきできないし、そのほうが迫力あるのは分かるけれど、演じるのは大変。早く照明落としてあげて、と主役カップルがなにかやっていたはずなのに、エドガーしか見ていませんでした。 主役カップルといえば、最後エミリオをかばって傷ついたエレーヌを、海の見えるところまでエミリオが連れて行くシーン。あんなに瀕死なのに、なぜ抱いていってあげない?エレーヌ自身、自分で歩くとは言っていたけれど、銀橋全部歩かせて、エミリオあまりに冷たくない? エミリオの海賊仲間、キッドを演じた伊織直加がとても自然で、生き生きしていた。直ちゃんは、これまで余り印象に残ったことがないのだけれど、今回海賊たちのシーンで一番目をひきました。アンに告白するシーンでは、キッドのあまりの不器用さに、客席から拍手をもらってました。 初風緑はショーのみの出演。歌声もいいし、ショーでは出番も多かったけれど、演技力もある人だから芝居も見たかった。専科制になってから、なにかと戸惑うことが多いです。ちなみに、ショーのほうでもわたる君は格好よかった。 |