月組
エドワード8世
Misty Statioin


2012年4月13日
於・東京宝塚劇場



 国民に高い人気を誇っていた英国王エドワード8世が、アメリカの人妻ウォリス・シンプソンと出会い、彼女との結婚のために王座を捨てる。 王冠を賭けた恋なんてロマンチックなサブタイトルがついている割に、全く甘いムードのない話でした。

 開演アナウンス、何がはじまったのかと思いました。 録音でなくて、生徒さんが出てきて話し始めるなら良かったのに。 さらに、幕開けいきなりの葬式シーンで、死んだエドワード8世の声がラジオから流れ、ウォリスと痴話げんかを始めるというのがちょっと奇をてらいすぎ。 2人のラブロマンスもほとんどなくて、ウォリスとの結婚のために王座を捨てたのではなくて、王座を捨てるための口実にウォリスを使っただけに感じました。

 登場人物が多い割に、それぞれの個性が立ってなくて、誰が誰なのかよく分からないまま。 盛り上がりもなくて、芝居を見ながら寝てしまったのは初めてです。 宝塚なのだから、実際は駆け引きとか打算があったとしても、もうちょとラブロマンスがあってもよかったのに。

 ショー「Misty Station」は楽しかったです。 あのアニメ映像だけはやめてほしいけれど。

 プロローグのタータンチェックの衣装は華やか。
 剣の戦士、まりもちゃんの格好良さはさすがです。本人は嫌かもしれないけれど、本当に男前で格好良い。
 スーツの男役から始まって、香港マフィアのような場面。 わたるくんの「テンペスト」を思い出させるような、ちょっと退廃的な雰囲気もあって良かったです。 龍君は男役としては線の細い感があるけれど、中性的な細身の衣装を着ると、すっとして綺麗ですね。
 ジャングルのシーンから続くロケット、後からワニだと知ったけれど、ジャングルの草花や鳥のような印象でした。 すごく格好のいいロケットで好きでした。
 宝塚定番、黒燕尾の男役の総踊りもあったし、さよなら公演らしい演出や歌もあった。 でもやっぱり、今回の見どころはまりもちゃん。格好いいまりもちゃんが堪能できました。