月組
Ernest in Love


2005年7月16日
於・梅田芸術劇場



 19世紀。イギリスの田舎貴族のアーネストは、ロンドンの貴族令嬢グウェンドレンと恋仲。ところがアーネストが拾い子と知ったグウェンドレンの母親は、結婚に猛反対。
 アーネストというのは、息抜きのためにロンドンに出てきたときの仮の名で、本当の名前はジャックといって、田舎ではセシリィという娘の後見人をしてる。このことを聞き出したアーネストの友人アルジャノンは、アーネストの名をかたってセシリィの前に現われる。すぐに恋に落ちる2人。そこに、アーネストとグウェンドレンが現われ、2人の嘘がばれてしまう。
 最後は大団円で、幸せな気分になれるお洒落なコメディ。

 瀬奈じゅんと彩乃かなみのお披露目公演。息もぴったりで、見ていてほほえましくなるカップルだった。正直バカップルなのだけれど、憎めないというか、ラブラブぶりが可愛くて許せてしまう。

 アーネストの瀬奈じゅん。爽やかな田舎貴族の青年がぴったり。相思相愛の恋人にプロポーズするのに、クレアトール(@レビュー誕生)ばりの苦悩ぶりが可笑しい。ernest=純粋、正直、熱烈の意味と説明されていた通りの性格。まっすぐで、ただただグウェンドレンのことだけを想っていて、ちょっと子供っぽくて。麻子ちゃんは、実は白い役のほうが似合うと思うので、これは適役。キザらない麻子ちゃんも、可愛くていい。

 グウェンドレンの彩乃かなみ。可愛いし、しっかりしてるし、聞きほれてしまうほどの綺麗な歌声。麻子ちゃんとのコンビは何の不満もない。あいちゃんとの掛け合いナンバーも、コメディの範囲での女の争いで楽しかった。暖かく見守っていきたいカップルでした。

 アーネストの友人で、グウェンドレンの従兄弟アルジャノン、霧矢大夢。何の心配もしていなかったけれど、やっぱり上手い。歌も上手いし、芝居も絶妙のタイミング。脚本通りに進めているのだろうけれど、きりやんの持ち味120%発揮。最初のパジャマ姿が最高。きゅうりサンドの食べっぷりも絶妙。これが、らんとむがお茶会言っていた、ずっと食べ続けていたというきゅうりサンドか!と謎が解けました。毎公演あんなにお皿いっぱいのきゅうりサンドを食べていたら、もう見たくもないのでは?
 バンバリーの掛け合いのナンバーもいいし、麻子ちゃんと握手してにらみ合っているシーンも可笑しい。コメディセンス抜群で、きりやんがいたから、この芝居にピリッとスパイスが効いていた感じです。

 セシリィの城咲あい。一番心配だったのですが、はつらつとしていて可愛かった。このまま成長してほしいと思います。

 グウェンドレンの母親、ブラックネル夫人の出雲綾。上手いです。歌もだけれど、存在感がすごい。花組も通しなので、安心してみていられます。

 あとの役付きは、執事(光樹)と牧師(越乃)と家庭教師(瀧川)。個人的には、どれもいまいち。執事は、アンサンブルを引き連れてのシーンが長いので、ちょっと飽きてしまった。牧師と家庭教師は、色っぽいシーンもあるのに、色気を感じない。芝居の全体の雰囲気が変わってしまうほどには変ではなかったけれど。
 軽快なのりが小気味よくて、あっという間に幕が下りてしまいました。とにかく、麻子ちゃん&かなみちゃんのトップ就任が嬉しい♪そして、花組バージョンも楽しみ。