月組
グレート・ギャツビー


2022年9月29日
於・東京宝塚劇場



ギャツビー邸では夜ごと盛大なパーティが繰り広げられていた。 屋敷の隣に越してきたニックはギャツビーに興味を持ち、挨拶して親しくなる。
ギャツビーは、家柄の違いから引き裂かれた恋人デイジーを今も想い続けていた。 闇稼業で財をなし、裏の世界のボスに上り詰めたギャツビーは、ニックの引き合わせでデイジーと再会をはたす。 デイジーは既に結婚していたが、夫には愛人がいて、夫婦関係は冷めきっていた。 ギャツビーとデイジーの仲を知った夫トムは、ギャツビーと決着をつけようと申し出る。 捨てられたトムの愛人マートルは、トムの車と思い込み、ギャツビーの車に飛び込み即死する。 運転していたのはデイジーだったが、ギャツビーは彼女をかばい、マートルの夫に撃たれて命を落とす。

14年ぶりの再演。 ジークフリート・フォーリーズのショーナンバーが加わって華やかになりました。

ギャツビーの月城かなと。 瀬奈じゅんのギャツビーが当たり役で素晴らしかったので、それに比べるとちょっと押し出しが弱い。 根が真面目そうで悪に手を染める気がしないとか、いつまでも1人の女性に執着するほどの情熱的なタイプには見えないとか。 でもとりあえず麗しくてスーツ姿が様になっているので、十分素晴らしいです。

デイジー、海乃美月。 芝居は上手なのに、自由奔放な少女時代とか絶世の美人とか言われても、微妙に持ち味にあってない感じが残念。 貞淑な人妻とか、かつての想いに苦悩するのは似合ってるのだけど。

ニック、風間柚乃。 ストーリーテラー兼息抜き担当。 ジョーダンを口説くところはホッコリ優しい気持ちになれたし、最後の葬式の場面もニックの明るさに救われた感じ。 いい芝居しますね。

トム・ブキャナン、鳳月杏。 個人的に好きになれない生徒さんなのだけど、今回はその好きになれない理由の可愛げない感じが役にぴったりはまってた。 マートルから踊り子に乗り換える場面が加わって、世間体だけで妻を拘束してる本当に嫌な男。

ギャングのボス、輝月ゆうま。 越りゅうのボスがあまりにインパクト強くて格好良かったけど、それとは違うタイプで作ってました。 専科さんだったんですね、組子かと思ってしまった。

ジョージの光月るう。 磯野さんはあまりに年齢差夫婦すぎて、押し出しが強すぎて怖かったので、このくらいがちょうどいい。

英真さんのパパは短い時間だけど心にしみました。

大劇場バージョンにフィナーレが追加されていましたが、星組花組の後に見ると月組ってダンスがぱっとしない。 ギャングのナンバーでも思ったけど、麻子ちゃんと越りゅうのときはすごく格好良かったのに、今回は普通っぽい。 芝居は手堅いし歌も上手なのだけど、ダンスは売りじゃないんだなと思いました。