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月組 長い春の果てに With a Song in my Heart >2002年12月19日 於・東京宝塚劇場 |
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BGM*言いたくて言えなくて
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手術の失敗で患者を亡くしたために、生きるあてをなくした医師ステファン。
彼にあこがれる少女エヴァとの出会いで、人間らしさを取り戻していく。そしてステファンをとりまく人々の恋愛模様も絡んで、最後はハッピーエンド。 正直言って、あまり期待してませんでした。だって、原題「世界で一番好きな人」だし。 でも、思っていたよりずっとよかった。だてに紫吹月組じゃないですね。 エヴァの映美くらら。今まで子供っぽすぎて苦手だったのですが、今回は適役! ミドルティーンの女の子をあんなに上手に演じられるジェンヌさんは、他にいないんじゃないでしょうか。 わざと子供っぽくしているわけでもなくて、とてもナチュラル。周りは子供扱いするけれど、自分では大人のつもり。 ステファンが好き。病気は恐い。ストレートな感情表現が、思春期の女の子って感じで、とにかく可愛かった。 とても感情移入できました。20歳になったときのエヴァは、大人の格好してても、あいかわらず子供っぽかったけれど。 ステファンの紫吹淳。第一印象、どうしちゃったの、その頭?やる気ない感じを出したかったのかなあ。 ま、リカちゃんだからいっか。小娘相手に翻弄されてる様子が楽しかった。哀愁漂う様子が素敵です。リカちゃんは、必ず作品を面白くしてくれる気がします。 お久しぶりのワタルくん。1年ぶりだ〜、嬉しいよお。 湖月わたるのクロードは、敵役というわけではないけれど、悪役系のキャラ。人の命は金次第というのがモットーの医師。 目つきの悪さにも磨きがかかって、態度でかくて、いいぞ〜!発病して倒れるシーンでは、あいかわらず目を剥いて、迫真の演技。 最期ステファンが面会しに来たときなんて、ルキーニかと思った。この病室のシーンは泣けます。 エヴァだけだと、血管腫という病気がどんなに恐いものか分からなかったけれど、ワタルくんのこの演技で、不治の病なんだということがよ〜く分かりました。 そして、ステファンに最期の言葉を託すシーン。格好つけてるわけじゃないのに、格好よすぎです。 ホントに存在感のある演技をする人ですよね。ルキーニを演じてた時は、まだ今ほどの迫力がなかったから、今だったらどんなにすごいルキーニができたかと思ってしまいます。 それと、素足にスリッパはいていても、他のブーツはいてる生徒さんに負けない背の高さ。 ストーリーに関係ないけれど、つい見とれてしまう。 今回、女役を演じた男役さんが2人も。私は、女性の役は娘役さんにやってもらいたいので、それが2人もというのがちょっと残念でした。 結構評判の高い樹里ちゃんのアニータ@ウエストサイドストーリーでも、娘役さんが演じた星組の方が好きだったし。 その1人、専科から汐風幸。専科から呼んできて女役では、幸ちゃんもがっかりなんじゃないでしょうか。 ナタリーは、ステファンの元彼女。しっかりしてそうなんだけど、ステファンのことがまだ好きで、結構女らしい女性。 すごく変ということはないけれど、演技の端々に、足は揃えなくちゃ、とか高い声で話さなくちゃ、というのが見えてしまう。 この役は娘役さんでいってほしかった。マルノーの霧矢くんにとっても、ちょっとお姉さんすぎる感じがしました。 もうちょっと、どこか放っておけない脆さみたいのがあるといいかな・・・これを男役さんに求めるのは無理でしょうが。 もう1人は、大空祐飛のフローレンス。こちらはステファンの現彼女。 ステファン、もてもてだ。幸ちゃんと違って年次が若い分、まだ可愛らしさがあった。 でも、顔立ちと演技の雰囲気は可愛かったけど、ガタイはいいね。エヴァにやきもち妬くところとか、なかなか女性らしい可愛らしさが出ていてよかった。 ただ、これも娘役さんでいいのでは? おいしい役を2つも男役さんに持っていかれて、娘役さんたちの役は、変な看護婦とか、変なお母さんとかだけ。可哀想。 変なお母さんなのは夏河ゆらさんだからかな。うさぎの扮装、かなりイっちゃてたし、恐るべし。 あんな悪夢、見たくない!暗いストーリーだから、お笑い部分を入れたかったのだろうけど、変な看護婦たちが悪目立ちしてて、どうかと思った。 もう少しナチュラルな方が、私は好み。 ブリスの大和悠河、2作続けて恋人が男役とは。 それにしても、タニちゃんは相変わらず可愛い。フローレンスに告白したいのに出来ないで空回りしてるところとか、お馬鹿なことしてるところとか、見ていてなごみます。 ラスト、相変わらずお馬鹿なブリスを見て、リカちゃんが一言、「おまえには変わってもらいたかった」と言ったのが笑えた。 普通、久しぶりに会った友人には、変わらないね、というのが誉め言葉なんだろうけど。 暗い話かと思いきや、ラストは大団円。それはいいのだけれど、その前のフラメンコのシーンが唐突で、なくてよかったのでは? スペインである必然性もないし、時間の経過さえ分かればいいのだから。 ショーのほうは、ディズニーシーのAncore!みたいだと思いました。せめてドレミの歌だけでも英語にして欲しかった。 最後の最後で、どっと脱力。霧矢くん、芸幅広いね〜。見てるほうは楽しいのだけれど、お笑い担当にならないでね。リカちゃんの脚線美はすばらしかった。 |