月組
Jazzyな妖精たち
Revue of Dreams


2005年12月8日
於・東京宝塚劇場



 妖精のことはあきらめて、見たいシーンだけ見ることにした2回目。瀬奈、霧、祐飛の3人がやっぱり格好いい。

 麻子パトリックは、これでもかというほど真っ直ぐで、いい人。個人的に、麻子ちゃんは黒い役より白い役のほうがあってると思うので、見ていて違和感なくいい。あまりにストレートな好青年なので、きゃ〜格好いい〜っていうのではないのだけれど、センターに立つのにふさわしい。選挙には勝てるのかな?あれだけ支持者がいれば、当選するかな。大統領は無理だけど。

 霧矢ウォルターと祐飛ティモシーが、今回のマイベスト。パトリックが孤児院の最年長だったらしいけれど、どう見てもウォルターの方が10歳くらい年長に見えてしまう。苦労したんだね、ウォルター。けれど、その渋くて大人なきりやんが格好いい。寡黙なんだけれど、にじみ出てくる雰囲気だけで思っていることが伝わってくる。さすが芸達者。たった1度人を殺めただけで、自分はもう終わりだと暗殺者に身を持ち崩して、実は心根はパトリックと変わらないくらい正直な人なんだと思う。世間に背を向けて、感情を押し殺して、心の底では辛かったんだろうな。最後のシーンで、何も言わないウォルターの背中が全てを語ってました。足を洗ってくれるといいのだけれど、簡単には抜け出せない稼業だろうし。

 ティモシーは、ヘラヘラと現実逃避して、友達を売るのもかまわない。使えない奴だと思うのだけれど、なぜか祐飛くんは格好いい。やる気なさそうにふてくされていて、お愛想程度に歌ったり踊ったりするのが、何でこんなに格好いいんだろう。パトリックの事務所に1人取り残されて、仕方ないな〜なんて言いながら、結局は後を追いかけていくあたり、素直じゃないなぁ。ちょっと屈折した感じの祐飛くんが好き。マクガバンに真っ向勝負かけて、5人の中で一番危険なのがティモシーだろうな。

 ミックは、どうも中途半端。普通に好青年で、苦労を乗り越えて更生した感じがしない。もっとウォルターと対比が出るくらいの演技ができればよかったと思うけれど・・・。

 ショーは、各シーン衣装もセットもきれいでいいのだけれど、1シーンが長いのと、似た雰囲気の群舞が多くて、途中中だるみして感じてしまったのが残念。プロローグは元気一杯で好き。金の衣装のAmerican Dreamは、「カクテル」や「レヴュー誕生」で見たのと似てるので、見飽きた感が・・・。黒いクラシカルな衣装や、砂漠やバベルの塔風のセットが素敵だった。
 せっかくダンスが格好いい麻子ちゃんなのだから、群舞じゃなくて、少人数でガンガン踊るのを見たかった。