怪盗紳士アルセーヌ・ルパンの最新作「ルパン最後の恋」。
レルヌ大公が謎の自殺をとげ、令嬢カーラは悲しみにくれていた。 カーラには後見人の男性が4人いたが、その1人ヘアフォール伯爵は、カーラの出生の秘密を語り、そのために彼女が陰謀に巻き込まれようとしていることを教えるのだった。 父の遺言によると「後見人の1人がアルセーヌ・ルパンであり、その人がきっとカーラの為になってくれる。」 カーラ自身、自分の進むべき道が分からないで悩んでいたが、もう1人の後見人アルベールに心ひかれていた。 アルベールことルパンは、カーラを愛するものの、今までの自分の生き方を思うと身を引くしかないと考える。 ルパン、龍真咲。シルクハットに黒燕尾、マントのビジュアルは文句なしに格好いい。 けれど、それ以上何も感じなかった。 カーラを愛しているという感情もあまり見えないし、変に真面目っぽいし、もっと大人の男でこなれた雰囲気があってもいいのに、何だかなあ。 後ろで踊るマントの紳士たちとか、とりあえず宝塚的に綺麗なのだけれど、個人的には残念な印象。 カーラ、愛希れいか。 いろいろ翻弄されて気の毒な女性なのだけれど、芯がしっかりしていてぶれない感じがいい。 ルパンの愛がもうちょっと見えれば、最後よかったねって思えるのだけど・・・ ガニマール警部、星条海斗。 この人面白い。本人は一所懸命なのだけれど、とにかく3枚目というか、出てくるたびに笑いをとってくれる。 全体に暗い作品だったので、マギーがいてくれて本当によかった。 カーベット、沙央くらま。カーラへのゆがんだ愛情ゆえに、間違った方向に走ってしまった可哀想な人。 オックスフォード公はカーベットのことを信頼しきっていたし、悪人というよりも、何だか本当に可哀想な人としか言えない。 ドースン、凪七瑠海。こっちの方が真正の悪役だと思うのだけど、ビジュアルからして似合ってないし、役作りも微妙。 ルパンとドースンが格好良くないものだから、作品全体がつまらなかった。 ヘアフォール伯爵、美弥るりか。何がどうってことない、印象に残らない役。せっかく芝居上手いのに、もったいないキャスティング。 オックスフォード公、宇月颯。悪い人ではないけど、周りがどれだけ権謀術数張り巡らせていても、全然気がつかない。 カーベットの死を本気で悲しんでいるところとか、憎めない人だな〜とは思うけれど、知的そうなカーラとは似合わないなあ。 いい国王になれるといいけど。 ショー「Fantastic Energy」。 こちらは面白かったです。 プロローグは華やか。続く黒とシルバーの場面は大人っぽくて素敵。茶系の場面もセンスいい。どのシーンもとにかく踊りまくってくれて、息つく暇もないダンスナンバーが楽しめます。 中でも一番目を引いたのが、赤と黒の薔薇のナンバー。とくにダンサーとして目に留まる生徒さんがいるわけではないのですが、ダンス好きにはたまらないショーでした。 唯一ダンスで目を引いたのが、ロケットのセンターを務めていた研2の暁千星さん。 男役さんとしてどう成長するかは別として、あのダンスは楽しみです。 今回で越りゅうが卒業。あの濃くて男らしい味が大好きだったので、退団は残念。でもショーで沢山見せ場があって、龍くんから薔薇の花を受け取るシーンもあって、たっぷり堪能できました。 |