フランス革命下のパリ。ジャコバン派の恐怖政治のもと、貴族がギロチンにかけられていく様子を、市民たちは熱狂して見ていた。
スカーレット・ピンパーネルと名乗る一味が、貴族の亡命を手助けするのに業を煮やした公安委員会は、リーダーの正体を突き止めようと躍起になっていた。 イギリス貴族のパーシー・ブレイクニーがそのリーダーだったが、新妻のマルグリットはそのことを知らなかった。 マルグリットが、公安委員のショーヴランに脅され、心ならず革命の手助けをしてしまったことが原因で、夫婦はすれ違うようになってしまう。 お互いの心がつかめず、悩むパーシーとマルグリット。かつて恋人だったマルグリットに思いを残すショーヴラン。 3人の気持ちが交錯する中で、スカーレット・ピンパーネルの正体をさぐるショーヴランと、その眼をかいくぐってフランス王太子救出に向うパーシーは、最後の一騎打ちとなる。 サー・パーシー、霧矢大夢。 トップお披露目公演ということを忘れるくらい安定感のある演技は、さすがきりやん。 とうこちゃんも上手だっただけれど、貴族らしさという意味ではきりやんのほうが貴族らしいし、グラパンのシーンもただのお笑いっぽくなりがちだったとうこちゃんに比べて、 きりやんはコメディとシリアスのさじ加減が絶妙で好きでした。 マルグリッド、蒼乃夕妃。 あすかちゃんは女優オーラ満開のマルグリッドでとても魅力的だったけれど、夕妃ちゃんのマルグリッドはもうちょっと自然体に恋する女性という感じがして、とても感情移入できました。 ルイ・シャルルとのシーンも素直に感動したし、気が強いと言ってもやっぱり可愛い。 ショーヴランは、龍真咲。礼音くんのショーヴランがとにかく格好良くて大好きだったので、真咲くんは線が細いし、イメージと違うんじゃないかと思っていたのですが、 また違う感じのショーヴランで悪くなかったです。 礼音くんはどこか野心家っぽくて、自分のプライドのために闘っている感じがしたけれど、真咲くんは気がついたら責任のある立場に立っていただけで、 望んでなったわけではないというか、そこまでの器でないのに虚勢を張っている感じが可哀想に見えました。 昔の恋人は去ってしまうし、手下の革命家たちはまぬけなことばかりするし、上からはしっかり働けと言われ続けるし、間にはさまれて本当に気の毒。 格好いいというよりは、翻弄されて可哀想で仕方ありませんでした。 ジャコバン党の党首ロベスピエール、越乃りゅう。 星組のときにはあまり印象に残っていないのに、越りゅうは出てきた瞬間からすごい存在感で、 こんなロベスピエールににらまれていたのでは、ショーヴランも気の休まる暇がなかったでしょうね。 この日、パーシーがショーヴランに貸してあげようと言った服は、ダイアナ元妃の「胸元の大きく開いた黒いドレス」でした。 パーシーが落札したそうですが、「似合わないでしょうから、やめておきます」とのことでした。 |