フランシス

月組
薔薇の封印

2004年2月27日
於・東京宝塚劇場

ポーラ


BGM*私のヴァンパイア

 
 大劇場に続いて2度目の観劇。ムラと日比谷でキャストまで同じ作品を見るのは、もしかして初めてかも。

 あいかわらず色っぽくて、素敵なりかちゃん。真紅の衣装が良く似合っていて、バンパイアの総踊りにつながる、薔薇の花びらを一枚一枚ちぎっていくところが最高。いわゆるバンパイアのイメージのシーンがあまりないので、ここが一番バンパイアらしくて素敵。
 メイク変え、大劇場の時には気がつかなかった(していなかった?)のだけれど、1幕のチェンジはすごい。総踊りのときは、ダークな口紅に真紅の爪。次に薔薇の谷では、ナチュラルな口紅と爪。かつらも肩下くらいのストレートっぽいのでした。それが、バンパイアになったとたん、紫の口紅にチェンジ。え?ずっと舞台上にいたのに、メイクを変えている雰囲気なかったのに、いつの間に!?そして、時の流れのダンスの間に、短い髪がロングにチェンジ。ずっと踊ってたのに、いつの間に〜!?ルイ王朝では、最初とは違う、ダークカラーの爪に変わりました。もちろん髪型も微妙にチェンジ。そんなに細かく変えられたら、ついディーテイルが気になって、他の人まで見ている暇がなくなるじゃないよ。
 特に奇抜なヘアメイクではないけれど、現代の格好も素敵。すごくキザるわけではないのに、さりげない仕草のひとつまでが格好よくて、やっぱりりかちゃんはいいなあ。

 ルイ王朝。きりやんのダンス、以前も上手いなあと思って見ていたのだけれど、自分が先日ダンスのレッスンでできなかった振りを、何てことなくやっているのに驚き。見ているほうには何てことなくても、バレエのステップって難しいと実感。そんなに大したダンサーなのに、お笑い担当でしかないルイ14世。クリフォードと言い、ルイと言い、きりやんって・・・。

 ナチスドイツ。やっぱりこの場面は好き。タンゴは文句なしに格好いいし、エミールとポーラの兄妹も好き。祐飛くん、格好いい。本当に、最近めきめきと格好よくなっていると思う。内面に熱いものを持っているけれど、ぐっとこらえている感じがいい。派手な顔立ちなので、王朝衣装も似合うし、眼鏡も結構いけていて、今回1粒で3度美味しい祐飛くん。
 ポーラの、フランシスのことが好きで好きでたまらない感じが、見ていて本当に可愛い。そんなに好きなフランシスと別れて、亡命するしかなかったポーラ。フランシスに生きろと言われた言葉と、ダイヤモンドだけが、きっと彼女のその後の人生の支えだったんだろうな。ポーラはふられたと思ったらしいけれど、どうみても相思相愛に見えるのに。可愛くて、切ない。
 フランシスがオケボックスから出るのが、バンパイアらしく突然現れた感じでいい。吸血された人が、マントの陰でオケボックスに消えるのも、見切れてしまわなければ効果的なのだけれど、前回も今回も見切れてしまった。残念賞。

 大劇と日比谷と、大きく変わったところはなかったけれど、ただひとつ、冷凍カプセルにスイッチがついた。すごくハイテクそうな実験室の設備の中で、カプセルからコードにつながったスイッチ。クイズ番組の解答ボタンのような。それ、ない方がよかったと思う。コンピューター制御でしょ、普通に考えると。冷凍フランシスの超がつく色っぽさに、全部許せてしまうけれど。
 今回新たに感動したシーンが、薔薇の谷の遺跡で、昔を思い出しながらフランシスがジェニファーに語るところ。リディアとの幸せな時代が思い出されて、じ〜ん。永遠の命なんて、本当にいらないと思います。(でも、永遠の若さは欲しい〜。)